「コミュニティ・ストックフォトサービスでクリエイターの創作活動を拡げる」

株式会社cizucu　代表取締役 CEO兼CTO　太田 優成 氏
　×　弁護士法人内田・鮫島法律事務所　弁護士 鮫島 正洋 氏

太田：私どもはフォトクリエイターと発注者側が作品のライセンス管理と売買を行えるプラットフォームを提供し、収益が適正に分配されていないという社会課題の解決を目指しています。ストックフォトやフォトコンテスト、マッチングの３事業を組み合わせ、発注事業者に写真素材の提供やクリエイティブ支援を行い、クリエイターの収益化を実現していきます。生成AIの登場によりフォトクリエイターおよびUGCの数は増加すると予測される一方で、現時点ではライセンス管理や販売する方法がほとんどありません。こうした背景から潜在化してしまっているクリエイターエコノミー市場は国内だけでも2.4兆円にのぼると言われています。

鮫島：出品数×検索性で利便性を高めるシンプルなビジネスモデルですが、「cizucu」の特徴を教えてください。

太田：当社の強みはコンテンツ量の多さと検索性の高さです。クリエイターが気軽に投稿できるシステムを構築する事でSNSと同様のコンテンツ量を確保し、チャット型の検索エンジンによって自然言語を処理して理由とともに結果を数件提案することで発注者もスピーディに写真選定を行うことができます。

鮫島：将来的にNASDAQ上場を目指していることもあって、海外市場で戦っていくための戦略や、日本発スタートアップとしての独自性や優位性はありますか。

太田：フォトストック市場トップである米国ShutterStock社と戦うポイントは、UGCの活用と日本に関連するコンテンツ素材にあると考えています。日本は世界有数の観光大国であり、さらにはジャパニーズブランドという確固たる地位を築いています。こうしたことを背景に、日本向けのツアーを販売している海外旅行代理店向けに風景写真など日本の観光資源の写真やジャパニーズブランドにインスパイアされた商品を販売する事業者への写真提供に勝ち筋があると想定しています。そうした戦略を実現するためにも、まずは国内フォトクリエイターのコミュニティを充実させてから海外展開する計画です。

鮫島：例えばフォトクリエイターの写真素材が発注会社側との収益と連動するシステムはありますか？

太田：現在は利用範囲を想定してライセンスを付与していますが、どのくらい利用されたかを追跡するシステムはありません。

鮫島：その課題解決のため、ユーザーとクリエイターの適正な資金分配ができるようシステムを構築化できれば、特許化して競合と差別化できると思います。

太田：私どもの「cizucu」プラットフォームに登録することで収益をシェアできるシステムを作る事がフォトストック市場の発展には必要だと考えています。その際はシステムのユーザービリティが重要であり、多くのコミュニティ参加者がいる点に私どもの優位性があります。

鮫島：特許は出願準備中との事ですが、知財戦略で企業価値を高め、ぜひ目標である2028年NASDAQ上場を実現してください。