「「ブラウザ通信チャネルで、ネットデフレから脱却」」
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セイムクリック株式会社
代表取締役社長 川北 潤
1959年7月 東京都大田区生まれ
1978年3月 神奈川県立鶴見高等学校 卒業
1984年3月 中央大学 商学部 会計学科 卒業
1985年6月 アンガーマン・バス(株)入社
1989年 ネットワンシステムズ(株)へ移籍
1994年5月 MVP(株)(後の(株)シンクプラス)設立、代表取締役 就任
2012年6月 (株)シンクプラスを香港企業へ譲渡
2012年6月 セイムクリック(株)代表取締役 就任(現任)
2014年2月 アライドテレシス(株)社外取締役 就任(現任)
設 立 :2009年4月30日 資本金:5,000千円
本 社 :東京都港区芝浦3-15-1 シティテラス田町9F
事業内容:ITコンサル及びブラウザ通信事業
http://www.same-click.com/
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―MIT-EFJビジネスプランコンテストの最優秀賞を受賞されています「ブラウザ同期通信」の技術力・グローバル性・社会貢献性が評価され2008年に最優秀賞をいただきました。日本MIT(マサチューセッツ工科大学)エンタープライズフォーラムでは、主にMIT卒業生がメンターとなってベンチャー企業の事業プランを指導します。私の場合はNTT東日本の冬野氏(現NTTファイナンス)など3人のメンターに3ヶ月間、合宿までして、「技術より顧客目線」「マネタイズのポイント」などを徹底的に鍛えられました。
―特許4件取得し、さらに1件の特許を出願しています
ブラウザ同士の同期通信方法で2つ、3つ目はそれの接客への応用、4つ目は複数名でWebを閲覧するときのセキュリティ設計で特許を取得しました。今回出願した内容は、同期されたブラウザ内に広告コンテンツを挿入するシステムで、閲覧中のWebサイトに関連する広告を、広告サーバからダイレクトに挿入できます。Webサイト側ではなく、ブラウザ側が広告メディアになるという考え方です。
―ブラウザ同士を繋ぐ(同期させる)、新しいWeb共有型コミュニケーションです
Web画面を一緒に見たり、音声チャットなどができる「ブラウザ通信チャネル」技術です。同じ画面を同時に見る(操作する)事で、ECサイトでは友達と一緒に買い物を楽しめ、運営者はサイト訪問者の接客ができます。クラウド会計システムに導入すれば、会計士とクライアントが一緒に操作しながら月次決算の作成ができます。
―既存技術との比較を教えてください
セキュリティの観点から多くの企業がSkypeやLINEの通信をブロックしています。リモートコントロールによる画面共有技術は相手のPC内部が丸見えになるので、個人情報保護法等に実質上抵触します。一方、セイムクリックの「ブラウザ通信チャネル」は、安全が確立されたブラウザの通信環境をそのまま使うので、これら既存技術の問題は発生しません。
―ビジネスモデルはどのように考えていますか
「接客ツール」はEC事業者等へのライセンス販売や決済手数料をいただくモデルです。ブラウザ同士で繋がる「一般通信サービス」は、無料ユーザーに広告を表示するフリーミアムモデル(C2C)です。独自の「HTTP Router」を開発し通信インフラ事業者へ販売するB2Bモデルも計画しています。
―「ネットデフレ」(毎日コミュニケーションズ・マイコミ新書)を出版されています
Amazonは社員5万人で売上高5兆円ですが、ウォルマートが5兆円売るためには社員50万人が必要です。つまりECによって45万人の雇用が失われたのです。また、ネットでは一番安いものしか売れず儲かりません。Amazonも8期連続赤字でした。ECは便利な反面、社会経済の足を引っ張り始めています。
―世界的にEC市場は発展途上です
経産省の2012年度データによると、国内EC化率はたったの3.1%しかありません。そしてその大半が低額・単品商品というのが現状です。ECは自動販売機でしかなく、接客が必要な高額・説明商品にはブレークスルーが必要です。「ブラウザ通信チャネル」が接客重視のECビジネスをサポートし、EC化率を高めていきます。
―アライドテレシス(東2:6835)の営業子会社の社外取締役に就任されました
ネット機器総合メーカーである同社のソリューション販売事業の立ち上げを支援しており、セイムクリックの通信インフラ事業との提携関係をより強化していきます。私は米国アンガーマン・バス日本法人を経てネットワンシステムズ(東1:7518)立ち上げに参画し、ネットワークシステム業界では人脈も経験もあります。
―今後の事業計画を教えて下さい
新しいブラウザ対応のための開発が必要で、資金調達先や事業提携先を探しています。以前のエンジニアも再び参画したいと言ってくれています。ITコンサル事業で個人的には生活に支障のない状態に戻りましたが、ブラウザ通信チャネルをグローバルスタンダードにするため、Never Give Up!で再チャレンジです。
※全文は「THE INDEPENDENTS」2014年4月号 - p6-7にてご覧いただけます