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「IPO活性化がもたらす投資スタイルの変化」

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株式会社インディペンデンツ
代表取締役 國本 行彦 氏

1960年東京都豊島区出身。
1984年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。
2006年インディペンデンツ設立、代表取締役就任。

2011年度から始まった全国の証券取引所のIPO活性化に向けた取組みが功を奏してきました。2013年度は上場基準の緩和だけでなく、上場後の「成長支援」に軸を東証は置いてます。成長イメージの捉え方は、上場直後の経営成績重視から、長期的視点での事業計画の実現可能性評価になりました。一定期間赤字が継続するケースや、短期的に足元の業績が悪化しているケースでも上場できるという事です。

1999年に設立されたマザーズ市場は衝撃的でした。上場基準が大幅に緩和され、設立間もない企業が次々にIPOし、これでVCの存在価値はなくなると私は懸念しました。結果的にはVC業界はIPOブームを享受し、私の予想は外れました。ただその後はバブルが弾け、上場基準も厳しくなりVC冬の時代が続きました。

好調なIPO市場によってVC業界には多額の投資リターンがもたらされました。最近のVCは投資のエグジットとしてM&Aを重視していますが、ホームランが狙えるIPOが大きな魅力である事に変わりありません。機関投資家のポートフォリオは依然として市場一部が中心で、IPOの観点もステップアップ上場が重視されています。再びベンチャー投資は復活してきましたが、IPO初値で売り抜ける投資スタイルは厳しくなるかもしれません。

ベンチャー投資におけるリードインベスターの役割はFSアレンジ面が中心でした。上場基準が緩和される事でアーリーステージのベンチャー投資機会が増えていきます。一方でIPOには説得力ある長期的な経営計画やマネジメント能力が求められています。リードインベスターは社外役員就任など、経営に深く関与するスタイルに変化していく必要があります。

※「THE INDEPENDENTS」2014年1月号 - p3より