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「「日本の名水を「エコパック」に詰めて世界へお届けしていきます」」

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ジェイウォーター株式会社
代表取締役 矢野 慎一さん

1961年6月生まれ。大阪デザイナー専門学校在学中にデザイン会社へ就職、中退。1982年渡米ベガ・ニューヨーク、1985年アメリカ読売新聞宣伝部入社。1989年クリエイティブハンズNYを設立。2000年にアクアクララジャパン設立参画、2003年アクアクララ北大阪(2006年アルテッセ社名変更)設立。2012年当社取締役会長、2014年代表取締役社長就任。恩師はベニハナ・オブ・トウキョーのロッキー青木恵子氏。

設 立 :2011年7月1日 資本金:309,800千円
本 社 :熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陰3007
事業内容:食品、飲料水、清涼飲料水の開発、製造、販売
役 員 :代表取締役社長 今村 行秀/代表取締役会長 矢野 慎一
http://www.jwater.jp/

―阿蘇は良質な天然水を育む土地柄として有名です。
色濃い自然が残る阿蘇は世界最大の大きさを誇るカルデラと雄大な外輪山からなる良質な水源地です。まるく甘い天然水から育まれた農作物や風土は「世界農業遺産」に認定されるほど世界に誇る名水でもあります。当社の「南ASOの天然水」はその九州阿蘇山の南外輪山に位置する南阿蘇のブナの原生林を水源として生まれました。

―アンチエイジング健康水「南ASOの水素水」も販売しています。
「南ASOの水素水(350円:330ml)」は、ミネラルたっぷりの南阿蘇の天然水に水素を加えたアンチエイジング健康水です。活性酸素を無害化する水素の溶存量は、オプトクリエーション社(横浜市:代表・飯田準一)のナノバブル技術を利用する事で飛躍的に高めています。

―天然水を無菌環境のクリーンルームで非加熱製造しています。
南阿蘇の井戸から汲み上げた天然水を自然のまま安全にお届けするため、無菌環境のクリーンルームで全ての前処理が行われ、何種類もの濾過フィルターを通過して不純物と菌を取り除き、そのまま非加熱充填しています。そのことにより、新鮮でおいしい南ASOの天然水をお届けしています。

―事業差別化の鍵は、超軽量で使い捨て自由な形になる「エコパック」にあります。
一般的なボトル式が12リットルと重かった点を、6.2リットル入りと軽くてかさばらないよう改良し、女性や高齢者の方でもラクラク交換できるようにいたしました。さらに飲み終わったら丸めて簡単に捨てられるので、PETボトルタイプに比べて大幅にゴミを85%削減できます。素材は、日本の最高の技術で開発されたポリエチレンの5層構造で、ビニール特有の臭いもなく、頑丈で破れにくいパックへと改良しました。開発には5年程かかりましたが、自由な形になるため、色々なウォーターサーバー開発に繋がり、海外からも注目を集めています。

―水の宅配ビジネスは、継続収益が上がるストック型モデルです。
当社のエコパックは袋タイプなので、お水を取替える際のボトル返却や回収が不要な「OneWAY宅配システム」です。ウォーターサーバーは無料レンタルで家庭に設置し、1箱(24.8リットル)3,980円からの天然水を全国へお届けします。毎月販売する天然水の売上からサーバー費用を1年で回収し、その後も継続的に収益が上がるストック型ビジネスモデルです。

―累計設置台数は5,000台、今期計画は40,000台です。
催事販売方式を主軸に顧客開拓しています。日本最大のホームセンターであるDCMホールディングス(ダイキ、カーマ、ホーマック)や、家電量販店にチャネルを持つ小泉成器が販売パートナーとなり流通量販店頭にて催事方式で販売しています。都市ガス・レンタルマット業界を主に展開する先行他社とは、パートナー戦略でも差別化を図っています。

―今後の販売戦略について教えて下さい。
独自のエコパック方式による多様なニーズに合わせたウォーターサーバーの開発、インフォマーシャルによる顧客開拓、IT活用した顧客管理システムによって、販売パートナーを開拓していきます。また軽量パックを活かした売り切り型の小型ウォーターサーバーを開発して通販やWEBによる水宅配ビジネスの流通革命を起こしたいと思います。

―「くまモン」ブランドを最大限に活用して地域資源活用の認定を受けました。
熊本県商工観光労働部では、熊本県産品のPR促進につながると認められ場合、「くまモン」のイラストや写真を加工品・農水産品への利用を認めています。当社も「くまモン」キャラクター利用の許諾を無料でいただき、その絶大なブランド力を販売促進に活用しています。

―矢野代表はもともとデザイナーですね。
23歳のとき渡米し広告会社でグラフィックデザイナーとして働きました。NYでの宅配水事業の普及をヒントに、帰国後は友人が始めた宅配水事業の創業に関わりました。しかしその会社が民事再生してしまい、残った製造設備を活用するために自ら起業したのが2003年です。本格的に水ビジネスに関わるようになりその経験がエコパックに繋がりました。

―今村氏はIT業界出身ですが、水ビジネスとの接点はいつからですか。
今村:大学卒業後は機械商社に入社し、1997年に日本でVoIP会社を起業し2005年にバイアウトしました。その後USファンド会社の依頼で水事業に関わるようになり、2011年に当社を設立しました。2012年3月に南阿蘇工場建設に伴い、本社を熊本へ移転、同時に水事業の経験があり、エコパック開発者である矢野氏を迎えました。

―今後の事業展開について教えてください。
日本は世界でも水資源が豊かな国のひとつに数えられ、水量の豊富さだけでなく、軟水で日本料理ブームも相まって、世界的に需要があります。当社は軽量頑丈なエコパックの強みを活かして、日本各地の天然水を全世界へ輸出していきたいと思っています。その足がかりとして、今年の7月には富士山工場を操業。世界の最大手ウォーターサーバー会社と提携して、中国などアジア諸国からヨーロッパへ普及させて行く方針です。

※全文は「THE INDEPENDENTS」2014年2月号 - p8-9にてご覧いただけます