「新世代レーザー医療」
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飛鳥メディカル株式会社
代表取締役 中村 誠司さん
1957年島根県生まれ。広島城北高校、愛知学院大学法学部卒業。東芝メディカル、エス・エル・ティ・ジャパンを経て、2000年9月当社前身であるジョディ・エンタープライズ代表取締役就任。2003年飛鳥メディカルへ社名変更。
設 立 :2003年1月27日 資本金:70,750千円
本 社 :京都市下京区油小路通下魚棚下る油小路町288
営業所 :東京都千代田区神田須田町1-18-3
事業内容:医療用レーザー装置の開発・輸入・販売
http://www.asuka-med.com/
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―レーザー医療の利点と安全性について教えてください日本では1980年に医療用レーザー機器が認可され、体に対して侵襲(しんしゅう)の少ない治療法として皮膚科や眼科を中心に普及しています。医療資格保有者であれば、メスと同じように誰でも扱えますが、レーザー機器の正しい使用法を十分に理解しておく必要があります。
―脱毛など非医療分野では聞きますが、まだレーザー治療はあまり知られていないと思いますが…
手術用のレーザーは従来非常に高価でありレーザー機器コストを吸収できなかった事や、一部のレーザー治療は自由診療であった為と思われます。また、国内でレーザー医療を専門に行うメーカーが無かったことも要因でしょう。今回、弊社ではレーザー光源の価格低下によってコストパフォーマンスに優れた機器を開発しました。
―レーザー治療の医療分野での普及状況について教えてください
日本臨床医療レーザー協会によれば、ガンの早期発見や治療、レーザーCTやレーザー顕微鏡などの診断分野、床づれ治療など介護分野などへの展開が見込まれています。既に整形外科・耳鼻科・外科・泌尿器科・皮膚科・眼科・歯科の分野でレーザー治療が利用されています。
―現在は獣医療用のレーザー機器がメインです
医療機器は厚生労働省の承認を得るのが大変で、農水省管轄の獣医療分野からスタートしました。医療用と獣医療でハード設計は基本的に同じですが、市場規模は10倍以上違います。医療分野は承認申請から45ヶ月かかってようやく今年認可されました。
―競合状況はどうですか
日本医用レーザー協会には、オリンパスをはじめ30数社が加盟していますが、まだ本格的参入に至っていません。当社は獣医療分野での開発力を高める事で、大企業の半分程度の価格で販売できます。
―販売はどのように行っていきますか
直販45%、代理店55%ですが、医科代理店は49社68営業所あります。前職のSLTジャパン時代から築いた医療分野ネットワークが当社の強みです。さらにトレーニングラボを設け、医師の方々に最新のレーザー手術技法をトレーニングしていただき、当社への信頼性を高めていきます。また全国で30?40回のレーザー治療講習会を開催しており、マーケティングに経営資源を最大限投入していきます。
―差別化戦略はどのようにお考えですか
新しいレーザー治療法の開発力です。獣医療分野で安全性を確認し、さらに顧問医師の臨床指導で医療現場で使える治療方法を確立していきます。
―収益モデルはどのように構築していきますか
レーザー本体を販売しながら、レーザーファイバーやプローブなどのアクセサリーも継続販売するモデルを構築していきます。新しい医療法を提案してマーケットを広げ、レーザー治療に役立つ内視鏡分野にも参入しています。
―製品はすべてOEM供給を受けるのですか
主要部品は米国製で、設計開発は日本で行っています。当面はファブレスですが、数年後には自社組立と検品ができる製造設備を保有したいと考えています。既存技術の組合せなので、特許取得が難しい分野です。意匠登録は取得していますが、特に海外戦略に際して知財戦略が課題だと思っています。
―新商品や開発戦略について教えてください
薬事申請中の医療用半導体レーザー装置と、YAGレーザー装置も本年度中に申請します。また、LED光源一体型の内視鏡システムも申請準備中です。また、レーザーによる温熱療法のがん治療装置も開発中です。
―産学連携にも積極的です
千葉大学医学部や鳥取大学農学部と新世代レーザーがん治療装置を共同開発しています。抗がん剤(ICG-liposome)とレーザー照射による温熱療法で、切開も必要なく副作用もなく、高い効果が期待できます。冷却機能付ロータリーハンドピースによって皮膚の炎症を抑える製品も開発中です。
―起業から10年経ちましたが、いろいろご苦労あったと思います
2000年にレーザー機器を扱う外資系日本法人から分離独立し、OEM供給を受けましたがその会社が経営不振から民事再生となり借金も背負いました。再スタートで2003年に当社設立してからは、医療承認に想定外に時間と費用がかかり、一時は債務超過までになりました。その間、レーザー医療に取り組む医者の方々や中信ベンチャーキャピタルなど多くの方に支えていただきました。
―将来目標を教えてください
将来目的は乳がん治療です。私は家族を3人乳がんで亡くしました。しかし開発には5年以上の年月と数億円単位の資金が最低必要です。そのためにも株式公開はぜひ実現したいと思っています。
※全文は「THE INDEPENDENTS」2013年12月号 - p6-7にてご覧いただけます