「九州インデペンデンツクラブ」
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初開催となる九州インデペンデンツクラブの第一部では、早稲田大学松田修一名誉教授をモデレータに、国内外にユーザーを持つヌーラボ橋本社長、海外投資の経験も豊富なジャフコ山形九州支社長、IPOコンサルティングだけでなく海外進出支援も手がけるAGSコンサルティング廣渡社長を招き、「グローバル」や「第4次ベンチャーブーム」をテーマにディスカッションいただきました。<モデレータ> 松田 修一 氏(早稲田大学 名誉教授 商学博士)
■ EOY JAPANを見ていると、起業家の性質がここ数年で変化してきているように感じる。1995年頃の第3次ブームではまだまだ町の発明家の域を出ない起業家も少なくなかった。今は起業時点からアジアをはじめグローバルを志向する経営者が増えている。サポーターのプロ化も進みつつあり、国も中小企業の海外展開支援に積極的になってきた。起業家教育を受けた人の起業率が極めて高いという調査データもある。日本はヒト・モノ・カネが充実しており、国内でビジネスモデルを確立して世界に飛躍する起業家がどんどん輩出されるインキュベーション大国としての可能性を持っている。2020年東京五輪を迎えるまでに、「今後も日本とビジネスをしたい」と世界の人々に思ってもらえるよう、ここ5年間で準備をしていかなくてはならない。
<起業家> 橋本 正徳 氏(株式会社ヌーラボ 代表取締役)
■ Web上の図形作成&リアルタイムコラボレーションツール「Cacoo」、プロジェクト管理ツール「Backlog」を開発運営している。
■ 「Cacoo」ユーザーは100万人超で、その分布は日本が14.8%、アメリカや台湾、コロンビア、ブラジル、フランスなどグローバルに利用されている。
■ 福岡本社以外に、東京・京都・シンガポールに拠点を構え、スタッフも国際色豊か。多国籍なメンバーをまとめるには、力を合わせて同じゴールに向かうことが大事。それぞれの役割や個性が違っても、とにかくお客様に喜んでもらうことは共通している。
■ 海外ローカライズは各地域ユーザーの声を聞く事が早道。小さく失敗が許される範囲でとにかく始め、トライ&エラーを繰り返す。
<ベンチャーキャピタル>山形 修功 氏(株式会社ジャフコ 九州支社長)
■ 1992年に大阪支店配属後、海外部門(シリコンバレー投資先企業の日本における事業開発支援/イスラエルでの直接投資)やアジア現地法人(フィリピン、シンガポール)で長く海外企業を見てきた。
■ シンガポールは人口が少なく事業拡大には他国へ進出するというのが当たり前で皆アグレッシブ。経営者が世界でビジネスをしていくという強い想いを持つことが大事。
■ インターネットが普及し、サービスを広めるためのプラットフォームも確立されているので、比較的小資本で創業し、最初からグローバルにビジネスをおこなうことが可能になったと感じる。
■ 九州支社7年目になるが、九州地域からグローバルへ羽ばたいていく起業家への投資を増やしている。
<IPOコンサルティング> 廣渡 嘉秀(株式会社AGSコンサルティング 代表取締役社長)
■ IPOコンサルティングの面白さは、経営者と同じ方向を見ながら緊張感や感動を共有できること。
■ 証券会社や監査法人は高校の先生であるのに対し、われわれは家庭教師のような存在。じっくりカリキュラム通り進めるのではなく、鬼教官のように厳しく指導する。いち早く上場してもらう事をポリシーにしている。
■ 2013年4月にシンガポール支社を設置した。以前に比べ同地での事業立上げが容易になってきていることもあり、シンガポールで会社を設立したいという日本人の相談も増えてきた。
■ ベンチャーの成功パターンは、とにかく動き回って金脈を見つけ、そこに集中投資をするというスピード感。