アイキャッチ

「日本のエコ技セレクトショップ」

公開


株式会社エコトワザ
代表取締役 大塚 玲奈さん

1980年 生まれ 10歳までニューヨーク州で育つ
1999年 私立女子学院高等学校卒業
2004年 一橋大学法学部経済関係法学科卒業
2004年 株式会社リクルート入社
住宅情報事業部にて営業・事業企画等を経験
2006年 (株)エコトワザ設立、代表取締役就任

設 立 :2006年7月7日 資本金:11,000千円
所在地 :東京都国立市中1丁目16番地12号
事業内容:多言語・他地域の通信販売
http://ecotwaza.com/

―「エコトワザ」の事業コンセプトを教えてください
日本には、古くから自然と共生する文化があり、また公害を乗り越えてきた歴史があります。しかし、その知恵の多くは海外ではもちろん、国内でもあまり知られていません。エコトワザは、日本ならではのエコ技なモノを世界に広めるため、英日バイリンガルのオンラインショップを運用し、海外へも発送をしております。

―日本のエコな技というときに、中小企業に着目したのはなぜですか
2006年に起業し、その後リクルートを辞めた創業期にまず目をつけたのは大田区の中小企業でした。環境関係の展示会に行くとエコテック(tech)ばかりが強調されていますが、エコというココロを解決するには職人のワザが必要です。一方で彼らは自分たちが環境に良いものを作っているという認識がない。そこで、エコとワザに優れた日本の中小企業を、海外の人々に幅広く紹介したいと思いました。

―どのようなビジネスモデルを考えたのですか
設立時は自社で発行する雑誌に、海外販売を考える中小企業からの掲載料で収益を上げる広告型ビジネスでした。ところが国内と海外の両方を意識した中途半端なコンセプトで思うように伸びませんでした。そこに2011年大震災がおきた。自主的に3ヶ月間国際発送をストップしました。その間、事業を見つめ直し、これまでサイトは英語しかなく一番身近な日本の人たちに伝わっていなかったことに気づき、国内通販を始めました。大量生産・大量消費を促すようなものではなく、つくりての顔が見えて、無造作に選択している商品を代替してもらえるようなショップになろうと考えました。「Business as usual」です。

―ECサイトではどのようなエコ商材を扱っていますか
現在60社200品目を扱っており、ユーザーはあまり男女差は見られず、国内と海外から半分ずつです。国内向けでは、天然の蚊取り線香、オーガニックタオル、天然石鹸など日用雑貨品が多く売れています。商品単価は300円台からで、エコ商材は高いという間違った認識を変えたいと思っています。一方で海外の人々とってエコは当たり前で、岩手の南部鉄器など日本の伝統的な調理器具が売れます。日用品から高額品まで扱うので、結果的に全体の平均購入額は7,000円ほどになります。

―「TOMORROW BOX(明日の箱)」を今年から始めました
今月は「洗濯」、来月は「リラックス」というようなテーマに沿って、季節のエコアイテムをBOXに詰め合わせて毎月届ける会員制サービスです。お客様がエコロジカルな生活をしたいと思ってもなかなか踏み出せない一歩目を、楽しく促す内容となっています。「明日の箱」という名前は、日本のサスティブルな技を明日に伝えたい、という想いからで、私自身も出産を経験して次の世代に希望と知恵を伝える社会的使命を強く意識しました。

―エコという理念追求と事業拡大は矛盾しませんか
IPOについても以前はまったく視野になかったのですが、最近選択肢として想像することがあります。商品開発において環境という切り口はまだオルタナティブですが、これをデザインと同じようにメインストリームにしていきたい。来年度には新卒も採用し、自社商品比率を高め、外国人向けに短期間のショップ出店も検討中です。そのためにも資金調達手段を広げたいと思います。

【注目の企業紹介】「外国人専門の賃貸住宅保証サービス」株式会社グローバルトラストネットワークス(代表取締役 後藤 裕幸さん)

※全文は「THE INDEPENDENTS」2013年10月号 - p4-5にてご覧いただけます