「だし巻き玉子焼きの成長戦略」
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株式会社ミレニアムダイニング
代表取締役 重森 貴弘さん
1969年10月大阪府堺市生まれ。愛知県立春日井商業高校卒業。大阪経済法科大学卒業後、経営者養成道場本多企業株式会社に入社。独立資格を得て2000年有限会社ミレニアム設立、代表取締役就任。
設 立 :2000年2月3日 資本金:15,000千円
所在地 :兵庫県神戸市中央区海岸通3-1-1 KCCビル4階
事業内容:持ち帰り弁当「お弁当物語」、飲食店運営
店舗数 :直営10店舗、FC8店舗
http://www.millennium-dinning.co.jp/
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―出し巻き玉子焼きと唐揚げがセットになった「だしから弁当」が好調です。本当は出し巻き卵をやめようと思った事もありました。朝から店舗で焼くわけですので非生産的です。技術を習得するのにも最低半年は必要です。しかしTV番組「秘密のケンミンSHOW」で紹介され自信を持ちました。大手チェーン店には真似できない手法ですし、販売単価も高めに設定できています。
―起業の経緯について教えてください。
学生時代からサラリーマンにはなりたくなかったので、独立制度のある会社で店長経験を積んで、30歳でファミリーレストランを譲っていただきました。しかし店舗出店先マイカルの倒産で多額の焦げ付きが発生し、現金商売である持ち帰り弁当店を新たに取得し事業転換しました。当初は食材仕入れを問屋任せでしたが、ハンバーグを手作りに変えてから評判が上がり事業が軌道に乗り始めました。
―出店戦略について教えてください。
オフィス街、コンビニ近くが基本です。既存店舗が好調なショッピングセンター内や、今後は駅構内など省スペースでも人通りの多い場所を考えています。都心型だけでなく、電話やネット注文が見込める地方型も展開していきます。
―FC展開はどのように考えていますか?
社員の独立支援と同時に当社ブランドを高めるためと位置づけています。商標登録「お弁当物語」を全国の各地域パートナーと展開したいと考えています。
―収益力の向上策についてはどのようにお考えですか?
人材育成と将来の出店のため、現在は店舗に複数の正社員を配置しています。前期出店は2店でしたが、今期は5店とペースを上げていき、業務と仕入れの効率化を図っていきます。
―セントラルキッチン方式にしないのはなぜですか?
店頭でのだし巻き玉子焼きにこだわりたいと思います。当社のもうひとつの特徴は店舗設備の充実です。スチームコンベンションや真空調理器など同業他社の3倍は投資しており、店舗での調理を重視しています。ただ食材を中間処理するプロセスセンター設置は検討しています。
―電話やネットによる弁当注文も重要です。
当社は前日でも大量注文できるシステムがあります。配達料は店舗宅配エリアでは無料です。運動会や花見などエリア外でも1万円以上注文は無料配達します。また天候による当日キャンセルも受け付けています。これも店舗毎で真空調理設備を保有しているので、いつでも美味しい弁当を供給でき、かつロス率も少ない体制があるからです。
―今年を「枠組みを変える」ための第2ステージとしています。
この13年間は勝ち残り・生き残りに必死でした。これからは日本という枠から海外へ、飲食業界から医療業界へ、持ち帰り弁当からネット注文へと挑戦していきます。野菜などの国内食材の調達を強化し、地方の活性化にも貢献したいと思います。
―経営理念である「食つくりは人づくり」について教えてください。
「食を通じたビジネスによって人を育てる」「人の身体にいい食を提供する」という2つの意味があります。そして、手作り、飽きのこないメニュー創り、新業態造りという3つのつくる(作る、創る、造る)を追求していきます。
―上場についてはどのようにお考えですか?
第14期はパブリックカンパニーロードを歩むスタートの年と位置づけ、5年後にはぜひ上場したいと思っています。今期の目標は直営売上高6億円、経常利益3000万円です。課題は沢山ありますが、まずは資金調達と内部体制づくりから始めます。2019年計画である150店75億円の早期達成を実現したいと考えています。
【注目の企業紹介】株式会社ファーマフーズ(代表取締役 金 武祚)「卵を科学する」
【起業家インタビュー】クックビズ代表取締役 藪ノ 賢次「飲食専門求人サービス」
※全文は「THE INDEPENDENTS」2013年7月号 - p4-5にてご覧いただけます