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【豊吉 隆一郎】
1981年 岐阜県生まれ
2004年岐阜工業高等専門学校電気工学科卒業後、TOYOSYSTEMとして個人事業でWeb受託開発業を開業
2011年 スタンドファーム株式会社設立、代表取締役就任

【スタンドファーム株式会社】
設 立:2011年6月2日
資本金:3,000千円
所在地:愛知県名古屋市中区大須1-3-13 ハラビル1F
事業内容:ウェブサービス開発・運営 売上高:20百万円(12/6実績)
http://standfirm.jp/

―クラウド請求書管理サービス「misoca(みそか)」について教えてください
オンラインで請求書の作成や管理はもちろん、郵送手配までできるのが特長です。請求書管理業務を大幅に効率化するだけでなく、誤封入のリスク、バックアップなど様々な問題も一気に解決できます。2011年11月にリリースして、5,000以上の個人事業主や中小企業が登録しています。

―無料プランと有料プランの違いを教えてください
請求書の作成・PDFダウンロードなどの機能はずっと無料で利用できます。顧客の数や請求書の枚数に制限はありません。有料プランでは見積書・納品書機能も使えます。また請求書を郵送する場合は1通210円ですが、現在キャンペンーン中で、最初の3通までは無料で郵送できます。(2013.4.11現在)

―なぜ請求書管理サービスに着目したのですか
7年間の個人事業(フリーランス)時代は、毎月の請求書を自分で封筒に入れて郵送するのが面倒でした。100通・1000通を代行する会社はありますが、1通・10通単位でフリーランスでも使えるサービスはありません。プログラマーという職業柄、ペーパーレスを進めやすい環境にも関らず、請求書だけはアナログ作業である事に我慢できませんでした。

―対象とする市場についてはどのように考えていますか
従業員10人以下の中小事業者200万社が対象です。20通の請求書発送に2時間はかかりますので、社長が経理担当者を兼務している小規模事業者に向いています。プリンタや封筒を用意したり持ち歩く必要がないので、オフィスを持たないフリーランスとの相性も良いと思います。最近ではコワーキングスペースからの問合せも増えてきています。課題はIT化に消極的な事業者にどう利用してもらうかです。

―ユーザー獲得やマーケティングについてはどのように取り組まれていますか
ウェブ広告やSEOが主です。「請求書.jp」のドメインを取得しています。中小企業を対象とするサービスとの親和性も高く、APIを提供して外部サービスから「misoca」を利用いただいています。今後は会計ソフトや名刺管理サービスとの連携やセールスフォース向けアプリ開発などを進めていきます。

―スタンドファームの強みはどこにあると思いますか
大企業が手を出せないようなサービスをフットワーク軽く手がけていく事です。フリーランス向けのオンラインサービスをどんどんリリースしていきます。

―今後の成長戦略について教えてください
有料プランで使える機能を増やしていきます。口座振替機能や入金自動消込管理などの代金回収サービスとして「misoca」を位置づけていき、その先は電子署名や電子契約などの電子文書配信プラットフォームを目指していきます。

―「misoca」をフックにしたフリーランス囲い込みや、受託開発案件を獲得する戦略もあると思いますが
それよりは基礎機能をしっかり作っていくボトムアップ戦略を考えています。その延長で大企業もユーザーにできたら良いとは思います。何より、自分たちが作った仕組みや情報技術で社会を良くする、人々の生活や行動が変わることにやりがいがあります。それができる可能性を持つ「misoca」をしっかり育てていきます。

―パートナーである松本取締役はどのようにジョインされたのですか
松本哲取締役:「CS Nagoya」という名古屋のコンピュータエンジニアの勉強会を豊吉と一緒に立ち上げました。コンセプトは「明日の仕事には役に立たないが、3年後の仕事に効いてくる」。勉強会を始めて3年後に、そろそろ本気を出す(笑)と合流しました。

―現在の主力事業であるWebシステム開発事業について教えて下さい
オブジェクト指向言語Rubyを積極的に採用した「Ruby on Rails」を得意としています。これはTwitterやGroupon、COOKPADといった有名なサイトでも採用されている比較的新しいフレームワークで、拡張性の高い柔軟なWebシステム開発を短期間で構築できます。また、Github、Chatwork、PivotalTrackerなどの様々なクラウドサービスを活用し、遠隔地にいるエンジニアとの共同作業などを積極的に行なっています。仕事も組織もプログラミングして自動化・効率化を図っていくことがエンジニアの本領です。

―高専(高等専門学校)を卒業されていますが、中学時代から高い目的意識を持っておられたのですか
中学時代は校則がとても厳しかったので、高専の自由で大人な雰囲気に惹かれました(笑)。ロボットコンテストに対する憧れもありました。高専は製造業の現場技術を学ぶところであり、世界にもあまり例がありません。まさに日本のものづくりを支えています。卒業後の進路は大手メーカーや大学院での研究職などが多く、独立する人間は少ない。高専は就職率の良さが特徴なので、就職しなかった自分は担任に随分と怒られました。

―フリーランス時代と現在の企業経営者と何か違いはありますか
高専時代からウェブ制作のアルバイトをしており、人の下で働くイメージが持てなかったので独立しました。当社を創業してからは、松本の分も稼がなくてはと責任感がついたと感じています。最初は売上を分けることに抵抗がありましたが(笑)、今ではやりたくなかった飛び込み営業をする自分がいます。
松本:「社長力」をつけるために、エンジニアとしての自分と経営者としての自分を明確に分けて行動するようにしています。今後人が増えてきた時には、豊吉にはCEOとしての役回りを期待しています。

―最後に、スタンドファームとしての今後の方針をお聞かせ下さい
ひとつの目標として会社を大きくしていきたいと考えています。自分自身もエンジニアであるので、一緒に働きたくなる環境づくりには自信があります。ここ数ヶ月で事業計画の作成と運用に取り組んでおり、目指すべき方向性やそこに向けてやるべきことは明確になってきています。IPOも視野には入れていますが具体化はまだです。

※全文は「THE INDEPENDENTS」2013年5月号 - p6-7にてご覧いただけます