アイキャッチ

「飲食専門求人サービス」

公開


クックビズ株式会社
代表取締役 藪ノ 賢次さん

1980年 和歌山県日高郡生まれ。1999年 大阪府立三国丘高等学校卒業。2004年 大阪府立大学工学部卒業後、翌年友人と通信端末の販売会社を起業。2007年 社内事業だったクックビズ事業を別会社として独立。代表取締役社長就任

設 立:2007年12月10日 資本金:37,000千円
大阪本社:大阪府大阪市北区芝田2-7-18オーエックス梅田ビル新館6階
東京支社:東京都渋谷区恵比寿南2-1-11 恵比寿AMビル7階
事業内容:外食業界に特化した求人情報サービス
http://cookbiz.jp/

―WEBマガジン「Cook+総研」のコンテンツが充実していますね
飲食業で働く「飲食人」に対して、誇りややりがいを再発見していただけるような飲食人のコミュニティサイトを目指しています。経営者だけでなくシェフや参謀役などへのインタビュー記事を通じて、仕事のやりがいや業界で働く醍醐味、転職のコツなどをお伝えしています。当社のビジョンは、飲食店から食産業全体の人事部になることです。2007年に食の専門学校生に対する就職支援から始まり、現在は食の現場と人をつなぐプロフェッショナルとして人材紹介・求人広告の両軸でサービスを提供しています。

―人材ビジネスを飲食業界にフォーカスして展開しているのはなぜでしょうか
飲食店は毎年10万軒できて10万軒撤退するという変化の激しい業界です。その群雄割拠の中で将来に夢を持つ若い人が多く働いていて活気があります。キャリアアップを考える人に転職ニーズがある一方、大手人材会社の参入がなく飲食業界特化型の人材ビジネスにも勝機があると思いました。

―クライアントである飲食店に対しての差別化戦略はどのようにされていますか
求職者の質と離職率につきます。当社から紹介する人の定着率は9割以上と業界では驚異的に高くなっています。その理由は当社が独立系人材会社として求職者側に立った人材紹介を徹底しているからです。当社コンサルタントが求職者一人ひとりの要望を十分に聞いて紹介先を3社から5社までに絞っています。

―人材紹介ビジネス成長の課題はコンサルタントの育成でしょうか
人材コンサルタントは大阪3名、昨年の東京進出に伴い3名採用して計6名です。「自社採用の成功こそ、人材会社の最大のブランディングである」という考えのもと、自社の社員の定着率を重視しています。給与体系は固定制で採用インセンティブはなく、私自身もそうですが、飲食業界や人材業界の経験有無は問いません。コンサルタントには食業界の発展や成長を求職者と共有できる人を採用しています。

―人材ビジネス以外の事業展開は考えていますか
新事業として飲食優良企業のブランディング支援を始めます。人材業の本来的目的は人と組織の成長支援であると思っています。

―介護・医療など業界特化型の人材サービス各社が増えています。飲食特化型人材サービスの成長性をどのようにお考えですか
日本の食文化やサービス力、ホスピタリティを見ると飲食業界は国際競争力があり海外進出する企業が増えています。国内の飲食人材市場は紹介型で100億円、求人広告型で500億円程度と試算しています。農業・漁業まで含めた食産業の今後10年、20年を考えた時に業界特化型人材サービスの貢献できる部分は多いと日々感じています。学校とも連携しながら資格取得支援や食業界の人口を増やす取り組みも考えています。

―このステージでVCが出資したのは経営者評価が高かったからだと思います。最後に今後の事業展開について教えて下さい
スタートアップ期に新規性が高すぎるビジネスを始めると食べていけません。まずはリアルな人材ビジネスで事業基盤を築きながら、エンジニアを内製化してWeb展開しています。現在の延長で20億円規模まではいけます。その後は海外進出や他分野への進出を考えています。事業スピードを高めるために昨年VC向けファイナンスを行い、そしてIPOを目指していますが、エグジットには自信があります。

※全文は「THE INDEPENDENTS」2013年3月号 - p4-5にてご覧いただけます