「ユーグレナの上場を振り返って」
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株式会社AGSコンサルティング
代表取締役社長 廣渡 嘉秀さん
1967年福岡県生まれ。1990年早稲田大学商学部卒業後、センチュリー監査法人(現新日本監査法人)に入所、国際部(ピートマーウィック)に所属。1994年株式会社AGSコンサルティングに入社。2008年株式会社AGSコンサルティング代表取締役社長に就任(現任)。
住所:東京都中央区日本橋室町1-7-1 スルガビル 7F TEL:03-6803-6710
設立:1988年 スタッフ数:157名(公認会計士27名、税理士41名)
事業内容:MS(マネジメント・サービス)、IPO支援、M&A、事業承継 ほか
http://www.agsc.co.jp/
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廣渡:上場おめでとうございます。ミドリムシを研究開発する世界初の「バイオテクノロジー」企業として、株式市場から事業性を高く評価されています。今日はその成長原動力などについてお伺いしたいと思います。まずは創業の経緯から教えてください。出雲:大学1年生の時にバングラデシュで見た栄養問題の解決方法として、ミドリムシに注目しました。ユーグレナ(和名ミドリムシ)は体長約0.05mmの微細藻類で、植物性と動物性の両方の特性を含む59種類の栄養素を持ちます。2005年に世界で初めてミドリムシの屋外大量培養技術の確立に成功しました。東大農学部を卒業して都市銀行に就職した私と、大学で研究開発を続けていた鈴木、クロレラ藻類の健康食品販売事業を行っていた福本の3人で創業しました。
廣渡:ベンチャー企業の場合、立ち上げにはいろいろご苦労されたと思います。その中で、事業成長の契機となった出来事はありますか。
出雲:一番の苦労は、ミドリムシを食べる事への人々の抵抗感でした。ミドリムシは虫ではなく藻の一種なのですが、ムシとつくことから誤解されることが多いのです。なお、ミドリムシにはパラミロンという植物繊維が油やコレストロールを外へ排出する効能があるのが特徴です。マーケティングに苦労する中、2007年に伊藤忠商事がミドリムシの可能性に期待して出資をしてくださいました。それによって企業の信頼も上がり、国内の販売体制などが構築できました。当時の状況で当社と連携していただいたことに、非常に感謝しています。
廣渡:上場を目指したきっかけは何だったのですか。
出雲:資金調達のチャンスを広げるためです。また、優秀な研究員を確保するためです。研究開発型企業である当社は設立時から赤字が続き、2008年に単月黒字になるまではずっと資本金を食い潰していました。上場後は当社の生命線である研究開発を、より一層強化していきます。
廣渡:IPOの王道ですね。上場準備でのご苦労はどのような事でしょうか?
出雲:最初に改善が必要だったのは管理体制の構築です。急成長する中で経理や人材面が追いついていませんでした。公開引受部出身者を採用し、外部のコンサル会社を活用しながら上場審査対応ができました。
廣渡:プライシング(公開価格)についてはいかがでしたか。
出雲:アメリカのバイオ燃料会社は赤字で上場しています。日本での上場は黒字達成が前提となるため、研究開発をするほど時価総額も下がってしまいます。当社は結果的には4年という長い時間がかかりましたが、株価については主幹事証券会社に高く評価いただきました。
廣渡:上場準備の中で外部パートナーの必要性や活用方法についてはどう思われますか。
出雲:社内では、会計や法務に関して最低限理解ができる能力が必要です。その上で外部の専門家には、難易度の高い問題を安心して相談でき、かつ自分たちの事をよく理解していただき、アドバイスをいただける専門家とお付き合いしたいと考えています。AGSコンサルティングは上場準備から上場後まで長く対応いただけるコンサルティングファームとして信頼しています。
廣渡:最後に今後の事業展開について教えてください。
出雲:「人と地球を健康にする」を理念に、地球環境問題の改善と食料問題の解消に取り組んでいきます。また上場する事でキャッシュフローを生み出す責任も強く感じています。ヘルスケア事業では、大量生産技術により低価格を実現し、国内市場90億円を拡大させながらワールドワイドへも展開していきます。エネルギー・環境事業では、JX日鉱日石エネルギーと日立プラントテクノロノジーと共同研究中のバイオジェット燃料を、2018年度には事業化していきたいと思います。
廣渡:本日は貴重なお話をありがとうございました。これからも起業家に元気を与え続けてください。
※全文は「THE INDEPENDENTS」2013年2月号 - p12-13にてご覧いただけます