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「人感センサ開発の大学発ベンチャー」

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株式会社センサーズ・アンド・ワークス
代表取締役 堀江 聡さん

1975年生まれ。電機メーカにて半導体実装技術開発などに従事後、2005年に有機デバイス研究のため京都大学へ。神戸大教職員を経て、2011年に株式会社センサーズ・アンド・ワークスを設立し代表取締役に就任。博士(工学)、技術士(機械部門)

所在地:京都府下京区中堂寺南町134番地 財団法人 京都高度技術研究所8A15
設 立:2011年4月19日 資本金:9,100千円
事業内容:センサー関連研究開発、有機エレクトロニクス研究開発ほか
http://sensorsandworks.com/

―本社は京都ですが、事業拠点は神戸大学にあります
もともとJST(科学技術振興財団)大学発ベンチャー創出推進を通じて京都で創業しましたが、事業拠点は神戸大学の連携創造本部棟内です。共同開発者である神戸大学石田准教授と継続的に連携をとれるようにと、神戸大学内に拠点をおきました。

―設立は2011年でまだ1年経ちませんが事業進捗状況はどうですか
事業会社からのセンサ試作等の売上実績があります。開発商品のプレマーケティング的意味合いです。官公庁からの受託開発等はありません。キャッシュフローは今後強化する必要はありますが、当面は問題なく回っています。知財に関しては神戸大学と実施権の取り決めを進めており、単独出願できる独自技術もあります。

―事業コンセプトについて教えてください
人感センシング技術を中心とした有機フィルム型センサ開発を主幹事業として、さらに企業成長力を高めるセンサモジュールやシステム事業に注力しています。

―人感センサとはどのようモノですか
人体から放射される赤外線を検出することにより、人の動き・移動方向や人数カウント・移動速度・距離検知をします。光源が不要、遠方の熱源も感知でき、波長選択性もなく使いやすい焦電効果を利用しています。センシングの源となる素子はセラミック系素材、センサ形態としてはCAN型パッケージが主流で、国内最大手は日本セラミック(大証6929)です。

―主な用途は何ですか
侵入者を感知するセキュリテイシステム、駐車場・廊下・トイレなどのセンサライトやスイッチ、暗視カメラや計測器にも使われます。最近では、照明・便座・換気扇と連動させる場合や、テレビ・エアコンに組み込んで電気消費の効率化をねらったホームユース、省エネ用途もあります。

―ホームユースで求められている技術ニーズは何ですか
薄型でコンパクトであるセンサ形態、多様な動きにも追従できるエリア検知機能、応答速度の向上です。

―セラミック素子との違いはどんな点ですか
フィルム形状ですので曲げても使えます。フレキシブル基板への実装も可能です。また鉛やレアアース、レアメタルを使わないので環境負荷、調達不安もありません。

―貴社のセンサ技術の特徴はどこにありますか
当社は、有機素材をベースとしたフィルム状の柔軟な焦電素子によるセンサ開発を行っています。また有機薄膜ならではの低誘電率、低熱容量を生かした素子構成と回路技術により、高感度で動きのスピードに依存しない応答特性を実現しました。このような応答特性を応用して人以外のモノと人とを同時に識別(検知)もできます。

―どのような特許を保有していますか
プロセスとセンサの構造、アプリケーションに関する特許出願8件です。JSTプロジェクトでの側面支援期間である財団法人京都高度技術研究所や神戸大からの紹介も受け、得意分野を持つ各弁理士に依頼しています。費用が問題ですが、海外特許も出しています。

―商品化における課題はなんですか
センサをいくら高機能、小型化しても、それを生かす後段の回路がなければ意味がありません。信号電圧のS/Nや部品点数を減らすアナログ技術を持つパートナーが重要です。波形の前処理を行い後段で軽くするために、設計段階から情報を共有しています。波形処理に関しては小型化、高性能化の観点でASIC開発も検討中です。

―事業戦略について教えてください
センサモジュールソリューションとエンベデットソリューション(顧客機器への組み込み商品)によるエンドユーザを意識した提案型ビジネスを展開しております。人感センサモジュールによる独居老人や在宅介護の管理ネットワークシステムの提案も行います。コアコンピタンスであるナノテクと電気電子との融合技術を基に、豊かなヒューマンライフ実現をモットーとする新規商品を継続的かつタイムリーに創出していきます。

※全文は「THE INDEPENDENTS」2012年6月号 - p1-4にてご覧いただけます