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「AR技術のインフラ化」

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株式会社ベネフィシャルテクノロジー
代表取締役CEO 山本 幸男さん

1971年 生まれ
2008年 ユビキタスオンライン設立
2009年 ベネフィシャルテクノロジー創業

住所:東京都目黒区洗足2-25-14 洗足永明堂ビル2F
TEL:03-6421-5512 設立:2010年5月12日 資本金:10,000千円
事業内容:AR(拡張現実)技術を利用したプラットフォーム制作・販売
http://www.b-technology.co.jp/

―ARとはどういったものかお聞かせいただけますか
AR(AugmentRealty:拡張現実)とは、現実世界に、映像やCGなどデジタル情報を組み合わせる画期的なテクノロジーです。スマートフォンの普及や高機能化、インフラの高速化なども作用して、近年非常に注目されています。

―貴社が対象とする市場はどこでしょうか
まずは出版社など紙媒体の広告・コンテンツを扱う事業者をターゲットに普及を図ります。近年雑誌などプリントメディアの媒体価値が下がりつつあり、広告営業が難しくなってきています。これをARによって、二次元では表現できないものを三次元で表現したり、紙面やパッケージ上という限られたスペース内に留まらない情報や映像を提供したりすることで、紙媒体の価値向上を図り、出版社と共に「プリントメディアの復興」を進めていきたいと考えています。

―国内ではセカイカメラ(頓智ドット)が有名ですが、違いはどこにあるのでしょうか
デジタル情報を生成させる技術が異なります。セカイカメラは位置情報とコンパスがベースですが、当社はトラッキング(画像認識)技術をベースとしています。セカイカメラはユーザー間のコミュニケーションを軸にビジネスモデルを構築されていますが、当社はARを活用したい企業向けに作成ツールを提供するB2B2Cモデルです。

―ARプラットフォーム「AR・i」事業についてお聞かせ下さい
当社はARのリーディングカンパニーであるTotalimmaersion社(仏:以下TI社)と技術提携を行い、ARを低価格で簡単に作成できるツール「AR・i」を開発しました。これをASPモデルで1コンテンツあたり月額3,000円から提供していきます。ツールの機能以上の仕様を希望される企業様には、フルスクラッチでの受託制作にて対応させていただきます。

―出版社など対象企業の利用動機についてはいかがでしょうか
広告出稿を検討する企業の多くがARへの関心を高めている一方で、その導入コストは100万円から150万円と費用対効果に見合わないと考えられてきました。また、ARの技術概要が分かりづらい点も、導入のネックになっています。当社のAR・iなら、低額で誰でも簡単にARを作ることが可能です。出版社にとっては広告単価が上がるなどのベネフィットが期待できます。

―既に約250社もの販売代理店網を構築されています
ラベル印刷の(株)タカラや、(株)キングプリンターズをはじめ、約250社の印刷会社と販売代理店契約を結んでいます。特にこちらから働きかけた訳でもなく、ここまでの代理店網を構築できたことに、大きなニーズを感じています。AR市場は黎明期であり、スピードが命です。全国各地の印刷会社と協業できるよう、今後も代理店開拓は進めていきます。

―低価格にこだわった理由は何でしょうか
繰り返しになりますが、早急に市場をおさえるためです。この分野のパイオニアとしてシェアを獲得し、参入障壁を築きたいと考えています。AR分野においては、技術面よりもどう利用するかがポイントです。当社ではコストがかかりがちなモデリング(デジタル情報の生成)の部分をテンプレート化することで低価格を実現し、多くの方に使ってもらいやすいサービスを志向しました。

―画像認識を用いた他のARと比べ、技術的な違いはあるのでしょうか
物体に対する「認識力」において優位性があります。当社の技術なら、認識速度も速く、動かしたり傾けたりしても認識が外れることがほとんどありません。画像認識をトリガーに特定のウェブページにとばすものとは一線を画した、物体そのものを活かす高品質なARサービスを実現できます。

―代替技術としてのマーカー型ARやQRコードとはどう違うのでしょうか
印刷された画像や物体には、何か伝えたいイメージがあるはずです。限られたスペースの中にQRコードやマーカーをプリントしてしまうことで、表現が制限され、訴求力が低減してしまいます。画像や物体をそのまま認識し、そこにデジタル情報を付与することで、よりエンターテイメント性の高いコンテンツに昇華されると考えます。

※全文は「THE INDEPENDENTS」2012年3月号にてご覧いただけます