「大阪王将ブランドのシナジー効果―イートアンドのIPO戦略―」
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講師:文野 直樹 氏( イートアンド株式会社 代表取締役社長)1959年大阪府生まれ。1980年父親が創業した大阪王将食品(現・イートアンド株式会社)に入社。1985年代表取締役社長に就任。2011年6月ジャスダック市場へ上場。 2012年11月東京証券取引所市場第二部へ上場。(証券コード:2882)
当社は「大阪王将」ブランドを軸に、外食から家食まで、生活食文化を提案する総合フードビジネス企業です。社名のイートアンド(EAT&)は、単におなかを満たす『食:EAT』の提供だけでなく、日常の生活食文化に貢献する+『&』を創造したいという想いを込めています。
1.当社の概要
昭和44年、食の街・大阪に餃子専門店「大阪王将」として私の父が創業しました。遠い親戚であった餃子の王将(京都)からの暖簾わけです。もともと父は画家で、1985年に私は25歳で社長就任しました。1980年代に外食チェーン展開を開始、1991年に冷凍食品事業に参入し、生協、量販店などと取引も始まりました。現在は全国410店(うち直営店37店)と自社工場を軸に、外食事業部門と食料品販売部門とのシナジー効果を狙った事業展開を行っています。
2.当社の特徴
外食・中食・内食の全チャネルを持ち、餃子を販売する業界上位で唯一の企業です。外食事業部門においては、直営店はR&D的な位置づけであり、 FC加盟店中心の出店戦略です。メニュー・販促の自主性、店舗内外装にオーナーの自由意思を尊重した「のれんチャイズ」方式です。食料品販売事業では、全国4箇所(北海道、関東、関西、岡山)の自社工場で、店舗向け製品や個人向けに冷凍餃子などの製品を生産しています。FC向け食材供給を含めると当社は食料品メーカーとしての売上が中心となります。「いつでもどこでも大阪王将」を掲げ、外食と家食のシナジー効果とリスク分散を図っています。
3.今後の成長戦略
基本成長戦略は、店舗展開の拡大と自社製品の生産性向上のスパイラルです。大阪王将を中心とした安定した出店、高い商品力と繁盛店舗の増加に伴う工場生産の効率アップと原価低減、店舗運営ノウハウによる低い退店率です。今年4月に、東京に本社機能を移し、全国展開を加速させます。外食部門がリアルマーケティングで得た結果を冷凍食品など家食用に製品化していきます。現在は年商200億円で外食部門と製造部門は50:50です。これからもこの両輪経営による「大阪王将」ブランドの2次活用を進めていきます。
4.IPOについての質疑応答(司会:大阪証券取引所 村田 雅幸 氏)
村田:上場準備期間が10年という長い間、IPOに対するモチベートをどう維持したのですか。
文野:3回目のトライアルで上場できました。期間が長かったのは利益が主原因です。しかし一番の要因は経営者の本気度です。1回目も2回目も真剣に取り組みましたが、ド真剣ではなかった。真剣に上場したいという思いが従業員に伝わっていなかった。IPOは一人ではできません。ビジョンが共有できて戦略が正しければ、社内の英知が結集し大きなパワーとなります。
質問:IPOを決断した理由とその時期を教えてください。
文野:2002年、外食企業からメーカーとの両輪になる時期。社名変更もその時です。店舗資金とは一桁違う工場設備投資の資金調達には、直接金融が必要です。もう一つの理由は、後継者を考えた時に未公開より上場企業のほうが社長の成り手が多いだろうと思いました。
質問:上場した日の気持ちを教えてください。
文野:大阪証券取引所での「大阪締め」の拍子木を打つ音に、今までになかった強い誇りを感じました。1階ホールでの上場記念セレモニーを通りすがりの人々が振り返ります。その晩は父と、そして亡くなった祖父に報告をしました。