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「[東京開催]広島イノベーションの推進」

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講師:小田 康太(広島県 商工労働局 イノベーション推進部長)
[略歴]1978年岡山県井原市生まれ。1997年私立岡山高校 卒業。2003年東京大学工学部物理工学科卒業後、経済産業省入省。2005年経済産業省中小企業庁経営支援課企画係長。2007年経済産業省製造産業局化学課課長補佐。2009年経済産業省資源エネルギー庁総合政策課 課長補佐。2010年広島県に出向、総務局総合特区計画プロジェクトチーム担当課長。2012年4月より現職。

※ 当日のスライド資料はこちらよりご覧いただけます

■ ひろしまの4つの挑戦
広島県の湯崎英彦知事は、ベンチャー企業を立ち上げ上場を果たした経験があります。その関係もあり、新規事業やイノベーションの創出にはとりわけ熱心に取り組んでいます。「人づくり」「新たな経済成長」「安心な暮らしづくり」「豊かな地域づくり」という4つの挑戦を掲げ、具体的には地域レベルでは最大規模の105億円のファンド組成、イノベーション人材育成としてMBA取得や国内外の研修派遣に対する支援、観光推進のため瀬戸内海の道構想などを推進しています。広島県は予算主義から成果主義、つまり経営視点を取り入れ、未来へ向けたチャレンジ推進に取り組んでいます。

■ ひろしま発産業イノベーション戦略
広島発のイノベーション企業としては、ダイソー、カルビー、青山商事などの事例がありました。イノベーション創出の必要条件としては、危機意識・やる気、支援環境、連携・ネットワーク、人材確保・育成、企業集積、知の拠点、地域基盤等に整理されます。われわれはこの必要条件が現在の広島においてどのような状況であるかを調べ、地域発でイノベーションを起こしていくための当面の環境づくりとして、(1)オール広島による連携・ネットワークの強化、(2)多様な創業・新事業展開)の支援強化、(3)次世代を担う人材の確保・育成、という3つの施策強化に取り組むことを決定しました。また、新たな産業育成として医療関連と環境関連クラスター形成にも挑戦しています。

■ 医療関連産業クラスター形成への挑戦
現状90億円の広島県内の医療関連生産額を10年後には10倍の1000億円に目標設定しています。医工連携による県内企業のビジネス拡大、そして国内外企業の誘致が基本戦略です。マツダを中心とした自動車部品メーカー、福山地域のエレクトロニクス等メーカー、広島大学、広島市立大学、(公財)ひろしま産業振興機構などがコンソーシアムを組み、医療・福祉機器開発を行っています。

(具体的プロジェクト)
(1)シャープ福山工場を中心とした内視鏡外科手術用モニタリングシステムの開発
(2)トーヨーエイテック株式会社を中心とする医療用インプラント開発

■ 地域医療・福祉現場との連携
平成23年度に地域活性化総合特区として指定を受けた尾道地域医療連携推進特区では、在宅患者に対してICT活用による医療・介護連携ネットワークを構築するとともに、iPadを使った服薬指導にもチャレンジしています。平成27年度には高精度放射線治療センター(仮称)を県内病院連携によって運営開始する予定です。

■ 未来チャレンジパートナーの募集
医療関連産業の誘致に向けて,われわれは昨年全国約125社を足でまわり企業ニーズを調査しました。国内の企業誘致のトレンドは変化しており,大手の医療機器メーカーは海外市場への投資を加速させているのが実態ですが、一方で国内の優れた技術を有する企業とのビジネス連携にも強い関心があります。広島県は支援制度の充実を図り,県内外企業のビジネスをあらゆる面からサポートしていきますので,広島県と協働で未来に向けたチャレンジに関心のある方はぜひお声がけください。