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「ベンチャーファイナンスの新たなうねり」

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株式会社インディペンデンツ
代表取締役 國本 行彦 氏

1960年東京都豊島区出身。84年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。2006年インディペンデンツ設立、代表取締役就任。

インデペンデンツクラブからエコグリーン(TPM:3188)が上場承認されました。バイオマス発電参入を考える同社は上場をEXITではなくスタートと捉え、まずは東京プロ市場を選択しました。しかし流動性の低い市場でどのように株主層を広げるかが今後の課題になります。私どもも株主として、エコグリーン石井光暢社長のビジョン実現に向けて長いお付き合いを始めていきます。

「与党税制改正大綱」の中で「民間企業等によるベンチャー投資等の促進」が盛り込まれました。投資額の80%を損金参入できる事業会社版エンジェル税制の導入が経済産業省を中心に検討されています。松田修一早稲田大学名誉教授によれば、かつの分離型ワラント社債と同等のインパクトがベンチャーキャピタル(VC)業界にあるだろうとの事です。1980年代後半に日本合同ファイナンス(現ジャフコ)が開発した分離型ワラント社債は、オーナー企業の相続対策として活用され同社成長の牽引力となりました。

未上場企業のM&Aは年間1,000件と言われ、VCのEXITとしてIPOと両輪になっています。ジャフコ中部支社の藤田豪支社長によれば、最近のファンド出資者の大半は事業会社で、ベンチャー企業との業務・資本提携の機会を窺っています。デフレ経済の終焉に伴い、ベンチャー企業に新たな価値創造の担い手として期待されています。大企業の給与や福利厚生制度はベンチャー企業とは比較になりませんが、にも関わらずプロフェッショナル人材の流動性は高まっています。

今、ベンチャー投資に新たなうねりが来ていると感じます。シードアクセレータ投資、インキュベイト投資、クラウドファンディング、事業会社の出資増加など。経済産業省だけでなく文部科学省、そして全国の自治体もベンチャー育成に力を注いでおり、ベンチャー支援のインフラは充実してきています。私どもも率先して、個性溢れるベンチャー企業へ一人でも多くの人と投資をして行きたいと思います。

【特別企画】TOKYO PRO Market セミナー(2013年11月28日(木)@新丸ビル9F)

※「THE INDEPENDENTS」2013年11月号 - p3より