「VCの役割今昔」
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尾崎一法さん(アント・キャピタル・パートナーズ会長)が講演で、VC(ベンチャーキャピタル)の役割を「一人でも多くの起業家を世の中に送り出すこと、そして全力を挙げて成功を支援すること」と述べていました。全く同感ですが、「世の中に送り出す」と「成功」の意味は、IPO業界とVC業界ではニュアンスが少し異なります。日本のVCは、IPOによるEXIT割合がぐっと下がり、M&A売却を見据えた投資戦略に変わってきています。IPOもM&Aも、VCから見れば同じ「世の中に送り出す」手段であり、ファンドパフォーマンスが良ければEXITはどちらでも「成功」です。アーリーステージ投資が増えてリスクが増す状況では、VCは投資先の経営に強くコミットする必要があります。経営の意思決定スピードを早めるために、単独で過半数株式数を持ちます。
先日、VCによるシンジケート投資組成の理由は「他のVCのセカンドオピニオンを求めるため」という論文*を興味深く読みました。私のVC時代は、リードVCとして積極的にコ・インベストVCを募りました。理由はリスク分散と正にセカンドオピニオンです。ただそれは追加投資が必要な場合を想定していました。投資先企業の資金繰りが厳しい時の追加投資には、勇気が要るし社内決裁も単独では難しくなります。
株式上場とは「一人でも多くの株主を増やすこと」であり、IPOは支援者となる株主作りです。しかし非常事態のときに企業を救う株式は、株式市場を通じて見つかるとは限りません。IPOの社会的意義は「成長企業を世の中に送り出す」事であり「株式価値向上」が成功です。VCの役割は、「IPO企業創出」ではなく、プロの投資家として「企業価値向上」させる事にあります。
*幸田圭一朗「VCのシンジケート組成理由についても実証分析」(証券アナリストジャーナル2013.9)
【コラム】「VCは金融(業)ではない」秦信行
※「THE INDEPENDENTS」2013年10月号 - p3より