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「日本の若者の変革力に期待しよう!!」

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早稲田大学
商学博士 松田 修一 氏

1943年山口県大島郡大島町(現周防大島町)生まれ。72年早稲田大学大学院商学研究科博士課程修了。73年監査法人サンワ事務所(現監査法人トーマツ)入所、パートナー。86年より早稲田大学に着任し、ビジネススクール教授などを歴任。日本ベンチャー学会会長、早大アントレプレヌール研究会代表世話人も務める。2012年3月教授を退官後、株式会社インディペンデンツ顧問に就任。

 この3月末で定年より2年早く退職し、インディペンデンツ顧問としての活動をはじめ、直接起業家との出会いを大切に、残された期間を活用しようと考えている。

 さて、日本のイノベーションを産学官が一体となって、ベンチャーに託そうと考えたのが、1995年のいわゆる中小企業創造法である。行政が、中小企業全体の底上げ政策から、「出る杭をもっと伸ばす」方向に転換した時である。

 2000年のネットバブルをはさんで、考えられる制度改正の多くがこの時期に行われた。残念ながら10年間の時限立法で、2005年に施行中止となり、その後のリーマンショックによる世界的金融危機、東日本大震災と原発事故という危機に遭遇し、さらに時の政権運営が世界の動向を先取りした制度変革を行うことなく、今日に至っている。

 失われた20年といわれるが、メインコンピューター、パソコン全盛の、相当の知識と資金が起業に必要であった時代から、インターネット、携帯・端末の活用により、簡単にアイディアを実現できる時代になった。2004年設立のフェイスブックの株式時価総額が、トヨタ自動車のそれに並ぶような時代が到来した。汎用技術が容易に手に入る時代に、顧客視点のニーズ感覚、決断、スピードこそが、事業成功の成否を決めるようになり、若者による挑戦が加速している。

 しかし、人間が人間として生活するための基礎的物資は、水・食料・エネルギーである。最も安い資源を購入し、製品にして輸出する加工貿易立国の力は、新興国にとってかわられた。日本人は10%成長時代を忘れて40年が経過した。超高齢化社会に突入し、3人で一人の老齢者を1人で一人を支援する時代を迎えつつある。今後短期間で、若者(生産者)が、3倍付加価値を生み出す仕組みを作る必要がある。日本に本来ある経営資源を見直し、世界のバリューチェーンを自ら確保し、これから30年間全力疾走できる若者を正当に評価し、経験豊富なアクティブシニアが応援に回る時代が、今来ている。

【THE INDEPENDENTS】起業家インタビューシリーズ
事業計画発表会】全国毎月開催中
【特別寄稿】事業計画発表会、次なる100回目を目指して(松田修一)

※「THE INDEPENDENTS」2012年4月号 - p27より