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「ロボットベンチャーの事業戦略」

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株式会社ゼットエムピー
代表取締役社長 谷口 恒さん

1964年生まれ。兵庫県立姫路東高等学校、群馬大学工学部卒業。制御機器メーカで商業車のブレーキシステムの開発を、商社で海外営業に従事。2001年ZMP創業。

住所:東京都文京区小石川5-41-10 住友不動産小石川ビル6F
TEL:03-5802-6901 設立:2001年1月30日 資本金:30,000,000円
http://www.zmp.co.jp/

ZMPはJST(科学技術振興機構)発ベンチャーとして2001年に谷口社長により設立された。
その後教育・研究ロボットに加え、家庭向けロボットを本格展開し2005年以来累計3,400台の販売実績がある。現在は「安全とエコ」をテーマに、次世代自動車市場向けの研究プラットフォーム「ロボカー(RoboCar™)」を事業展開している。

―先端部品をインテグレーションする技術
我々はロボットのコンセプトを作り、センサやアクチュエータ(モータ・エンジン)をインテグレーションする技術を蓄積してきました。二足歩行で言えばセンシングしながらたくさんのモータをリアルタイムに動かし、音声認識技術を使って歩かせるというロボット制御技術です。

―ロボット技術に注目する自動車メーカー
未来型自動車には環境と安全が決め手になります。日産、富士重工、ボルボやアウディ等はロボット(人工知能化)技術に注目しており、実用化が急速に進んでいます。現在は運転者のアシストに限られている自動運転も、法律やインフラ問題が解決すれば既に技術的には可能になってきています。

―ITで大きく変わる次世代自動車
シリコンバレーでは自動車周辺分野が一番ホットな投資分野になっています。ITS(高度道路交通システム)からTelematics(車載情報システム)へ。そしてConnected Car(IT次世代自動車)、Telemetry(遠隔測定技術)がキーワードです。スマートフォンによる遠隔操作、自動走行プリウスを実験するGoogle、トヨタと提携したマイクロソフト、クラウド、スマートグリッドに注目する商社やNTTドコモ。次世代自動車は、エコカーとしてのミッションだけでなく、従来とは全く違う新しいサービス、ビジネスモデルの創出が期待されています。

―次世代自動車の研究プラットフォーム戦略
ZMPのビジョンは、日本発・世界初の次世代自動車の開発を支援するプラットフォームメーカーです。ハード販売からソフト販売へ比重を移し、ターゲットを大学研究機関から自動車メーカーに変えた事で収益力も高まり、おかげさまで設立10年目に最高益を上げることができました。RoboCarシリーズは、実車の1/10サイズを販売し、今年は実車サイズだけど一人乗りの電気自動車を発売し、来年は普通車の電気自動車をベースにしたロボットカーを発売します。これで一応フルラインナップになり、あらゆるニーズに対応できます。3年後の売上目標は20億円です。自社で研究用ロボットカーを作る事で、EV電池管理システムや画像認識ボードなど次世代自動車に関わるモジュールやアプリも販売できます。業務用掃除機、工場・施設内搬送車、警備ロボットにロボット制御ボードを販売するビジネスモデルも実現できます。

※参考 「Youtube:ロボットカー RoboCar MEV® マッピング&自律走行」

※全文は「THE INDEPENDENTS」2011年7月号にてご覧いただけます