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「楽観」

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エルゴブレインズ(現スパイア)
ファウンダー 井筒 雅博 氏

1959年京都生、やぎ座B型、立命館大学卒、西武百貨店、第一企画を経て独立創業。現在は若手映画人を育てる「シネアンビシャス」プロジェクトを推進中。現在、株式会社アルゴノーツ 代表取締役CEO。

【株式会社アルゴノーツ】 http://www.a-notes.net/

今、ネットの世界は何度目かの大変換を迎えようとしています。グーグルTVを先兵とする大画面TVのネットワーク化です。スマートフォンから大画面TVまですべてのディスプレイが同一のネットワークで結ばれる時代がすぐそこに来ています。

大画面TVが加わることで、ユーチューブ等の低解像度映像だけでなく、高解像度映像がネットワークコンテンツの一方の主役になります。これは、映画、テレビに続く、映像ビジネスの第三の波です。

というわけで、私の新たなチャレンジは、映像ビジネス、というかビジネスとしての映像産業の構築です。特に、企業マーケティングにおける映像トータルソリューションの提供です。まず、その一環として、リーマンショック後のパラダイムシフトを迎え、映像産業は一時的にかなり困難な状況にあり、新しい才能をデビューさせる余力を失いつつあります。そこで、10年後の商業映画を支える新人監督にデビューの機会を与えるという「シネアンビシャス」プロジェクトを立ち上げました。協賛企業、映画産業、観客のすべてがハッピーになれる画期的な座組みであると自負しています!

まあ、この厳しい時代になんて楽観的な、と言われても仕方がないとは思います。

ただ「根拠のある楽観」こそが、起業家にとって最大の武器だと私は信じています。新しいことをやるときに、その成功を自分が信じないで誰が信じるでしょう?

自分を信じ、自分の運を信じ、自分のビジネスモデルを信じ、その想いを熱く語るからこそ、この人をいると楽しい、面白い、伸びる、ひょっとしたらひょっとすると思って、人が一緒に仕事をしてくれるのではないでしょうか?起業時どころか経営が波に乗ってからも、経営者の周りには不安要素が山積みです。正直言って「楽観的でないと気が狂う!」と言っても過言ではありません。

その中で、自らのビジネスモデルを信じ、その着地点とそこへの道筋をきちんと周囲に示し続ける「根拠ある楽観」が、どれくらい大切かは言うまでもないと思います。

ただし過信や頑迷は禁物です。節目で客観的にレビューをし、これはいけないと思ったら、致命傷になる前に「捨てる」という勇気も大切です・・・・・!

連載を締めくくるにあたって最後に一言、「明日はもっと面白い!」

半年間、お付き合いいただき本当にありがとうございました。

※「THE INDEPENDENTS」2010年12月号 - p16より