「それってどうなの?中国人のマナー」
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ヴェリタスアカウンティングファーム
代表 林 高史 氏
1990年名古屋大学経済学部卒業後、あずさ監査法人、ジャフコ(ジャフココンサルティング)を経て、2005年林公認会計士事務所開設。同年北京大学へ留学。08年大連市に事務所開設、ヴェリタスアカウンティングファームに統合。
【ヴェリタスアカウンティングファーム】 http://veritas-af.com/
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皆様こんにちは、林です。10月?11月にかけて中国各地への出張が重なり、目覚めたときに「あれ、今どこにいるんだろう?」と思うことがある今日この頃です。13億人の人口を抱える中国では、何をするにしても「自分が先」という自己中心的な感覚が当たり前のようです。つまり順番を待っていると自分の番が回ってこないということになるのです。例えば電車の切符売り場、中、長距離の切符売り場は絶えず長蛇の列ですがおとなしく順番を待っていると横から人がどんどん入ってきてなかなか前に進めません。結果営業時間終了時に間に合わず(中国では終了時間きっかりにバシッとカーテンが閉まります!)、切符が買えなかったということもしばしばです。そんな具合ですから口論、喧嘩もいたるところで見られ、「ああ、中国もまだまだ貧しいな、成長途上だな」と感じさせられます。2008年のオリンピック開催時には、全国的な風紀向上のために「ちゃんと列に並べ!痰を路に吐くな!」と大々的な呼びかけをしていましたが、その効果はおそらく北京市の一部でしか実感できないでしょう。
大都市にはほとんどといっていいほど立派な外資系の百貨店が存在しますが、売り場の店員のマナーもまだまだです。機械的な商品説明(暗記もの)、粗末な商品の扱い方、お釣を放り投げるようにして返すなど、中国を知らない日本人からすれば腹立たしいことの連続です。レストランで「髪の毛が入っているので交換して!」と訪ねればその場で髪の毛を取り除いて「はい、どうぞ」となればもう言葉もありませんよね。でもこれらは中国現地では普通のことで彼らにまったく悪気は無いのです。まだまだ物理的にものが不足している中国にあって品質、サービスはまだまだ最上級階級に限られた贅沢品なのでしょう。
中国の将来を憂慮する問題があります。それは1979年から始まった「一人っ子政策」以降に生まれた世代(80后(ほう)といいます)が社会人となり、またその後の世代が徐々に誕生していることです。彼ら世代は一家の期待を背負ってかなり過保護に育てられており、欲しいものは即欲しいなどと、わがままし放題世代で、儒教の国とは思えないほどマナーは最悪です。その子供はどうか?考えなくても答えは1つですよね。実際、高級ホテルのロビーや電車の社内で子供がはしゃぎ放題でも親はまったく注意をしない、ホテルの従業員が注意をすると「うちの子供のどこが悪い」と楯突く有様です。このままでは中国は今以上にコントロールしにくい(中国人ですら中国人を指導できない状態)国になってしまうでしょう。世界第2位の経済大国が抱える一番大きな問題は、世界に通用する、あるいは認められるための人心教育なのかもしれません。
※「THE INDEPENDENTS」2010年12月号 - p14より