「世界一シンプルなマーケティングツール『鉄アレイモデル』」

「うちの商品はこんなにいいのに、思うように売れない」
経営者やマネージャーの方から、このようなお悩みを聞くことが数多くあります。このようなお悩みをお持ちの方に、「鉄アレイモデル」というフレームワークを使って、誰に対して何をどうアピールするのかを考えていただくことをお勧めしています。

?「鉄アレイモデル」とは？
鉄アレイモデルとは、一言で言うと「自社の製品・サービスの強みや勝ちを、どのような人たちに対して、どのように伝えて売っていくのか」を考えるためのフレームワークです。図のように、鉄アレイのような計上をしているので、『鉄アレイモデル』と呼んでいます。また、鉄アレイモデルを活用することで、営業戦略が明確になり高効率で筋肉質な営業ができるようになることから、そのツールとしての「鉄アレイ」をイメージしているという側面もあります。

詳細は次回以降でご説明していきますが、鉄アレイモデルは、大別すると次のような構成となっています。鉄アレイの左側が自社の「商品」、右側が「ターゲット」、そしてその商品とターゲットをつなぐ「アプローチ」の3つです。この3つの項目を埋めていくことで、売れるための仕組みが自然と出来上がっていくのです。

ところで、鉄アレイモデルは1つの会社に1つだけとは限りません。1つの商品でもターゲットが複数あれば、その数の分だけ鉄アレイモデルができますよね。すなわち、商品・ターゲット・アプローチの組み合わせの数だけ鉄アレイモデルは存在します。商品アイテムの多い会社になると、数百、数千もの鉄アレイができるかもしれません。

?鉄アレイモデル作成のメリット
鉄アレイモデルを作るメリットは、自社の強みや特徴は何なのか、自分達の本当のターゲットはどこなのか、そして自分達の会社はどういう営業プロセスがもっとも適正なのかを整理して明確にすることが出来る点です。「いい商品なのに売れない」といったお悩みをお持ちの多くの企業では、この3つのポイントが明確にされていないああ異や、あったとしても曖昧だったりしている場合がよくあります。また、売れている営業マンや販売員というのは、この3つのポイントを事前に明確にした上でセールスの現場で活用できています。

私はこの「鉄アレイモデル」こそ、営業現場で使える売れる仕組みづくりの第一歩だと思っています。マーケティング論については世の中に多くの書籍なども存在しますが、実践するには難しいものが多いように感じます。実際の現場で使えなければ全く意味がありませんよね、そういう意味では、商品・ターゲット・アプローチの3つで構成される鉄アレイモデルは、最もシンプルで実用性のあるツールであると考えます。

次回から、鉄アレイモデルの商品・ターゲット・アプローチそれぞれについて、詳しく説明していきます。

※「THE INDEPENDENTS」2010年9月号 - p11より