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「著者紹介」

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エルゴブレインズ(現スパイア)
ファウンダー 井筒 雅博 氏

1959年京都生、やぎ座B型、立命館大学卒、西武百貨店、第一企画を経て独立創業。現在は若手映画人を育てる「シネアンビシャス」プロジェクトを推進中。現在、株式会社アルゴノーツ 代表取締役CEO。

【株式会社アルゴノーツ】 http://www.a-notes.net/

―始めは一人で立ち上げる
井筒:1997年に起業したときは、阪急電鉄のインキュベーションビルでSOHOビジネスでした。広告業界出身である私は、インターネット・マーケティングに興味を持っていました。データベースにEメールを絡めたら広告効果の高いビジネスができると考えていました。

―現金1000万円をプレゼントで大ヒット
井筒:登録データベースを作るため、3ヶ月に1回、会員登録者の中から1名に抽選で現金をプレゼントする仕組みが斬新でした。1000万円は当時の当社にとって大きな賭けでしたが、あっという間に登録会員が増えました。

―1通10円の広告配信メール
井筒:広告主は、データベースから会員属性を絞って広告メールを配信できます。高いレスポンス効果が評判となり、広告代理店も積極的に販売してくれました。

―タイミングが良かった資金調達
井筒:1999年8月に第1回FSをベンチャーキャピタル(VC)向けに行いました。同時にメンバーズ(名証:2130)のビジネスインキュベーションも受けました。当時は、登録会員を獲得するための広告出稿の資金調達が最大の課題でした。リードVCの声掛けで他のVCからも、赤字段階から上場前に4回のFSが実行でき財務体質も強化されました。

―人材にも恵まれ創業5年で上場
井筒:創業期から技術面では田中氏、管理部門の村雲氏、営業部門の福岡氏と多くのメンバーに恵まれました。東京進出にあたっては当時まだ20代だった福岡氏が大活躍しました。彼を社長に抜擢し、2002年2月、ナスダックジャパン(現・ヘラクレス)に上場ができました。

―上場後の経営体制の変化
井筒:上場によって取引先からの信用が大きく上がりました。人材の質も変わりました。一方で、経営者も社員も企業のステージ毎に変わる必要を感じました。敵対的買収も経験しました。上場して5年後に、私は自分が創業した会社を離れました。

―新しいことに挑戦する人を応援したい
井筒:現在は、若手映画人を育てる事を目的とする映画企画会社アルゴノーツの経営を行っています。企業ブランディングの一環として低予算で良質な映画を作る仕組みと、若手映画人に登竜門の機会を提供したいと考えています。私は昔から映画が好きで脚本家になることが夢でした。これからは、自分のバックボーンを上手に生かして、何らかの形で社会に恩返しができればと願っています。

※「THE INDEPENDENTS」2010年8月号 - p12より