「趣味の市場 創造戦略」

PART1　No.1趣味の教室サイト「趣味なび」

―「自分の時間を大切にする」時代がくる
上野：これからは、自己実現のひとつとして「趣味にまつわる自宅開業の小規模教室が増加する！」。そんな直感から2007年7月に「趣味なび」をスタートさせました。「趣味なび」とは、趣味の教室・スクール専門の生徒集客サイトです。資格取得を目的とするスクール検索サイトはありましたが、余暇を楽しむ「趣味の教室」に特化したサイトは当時まったく存在しませんでした。そこで、中小規模のカルチャー教室にターゲットをしぼり込み、その運営支援サービスを立ち上げました。

―開始から2年で5000教室が利用
上野：それまで有料広告掲載以外考えられなかった「スクールサイト」で、無料掲載を前面的に打ち出し、サイトの認知度を上げることに注力しました。その結果、クチコミなども手伝って、オープンから２年余りの2010年6月時点で全国各地の5600教室以上が掲載され、日本最大級の｢趣味の教室｣サイトに成長しました。最近は当社を真似たサイトが増えるほどになりました。

―とことん「趣味」にこだわったサイト作り
上野：趣味と言えばピアノ、フラダンス、ヨガやパン教室などのメジャーなジャンルはもちろん、カポエィラやステンドグラスなどのニッチなジャンルまで数多くあります。大きくは12ジャンルの中から、細分化すると約250種類ジャンルの中から趣味を検索できるようにサイトを設計しています。

―2兆円もある趣味の市場
上野：趣味市場は余暇のサービスから英会話教室などを含め、事業登録をしている所だけでも全国で約90,000事業所に上り、さらに中小・個人の教室を含めるとその5倍はあると言われます。市場規模は２兆円以上というレポートもあります。日本の人口分布図は40代前後と60代前半が多い釣鐘型になっています。団塊ジュニアの子離れ時期、団塊世代のアクティブシニア退職時代を迎え、趣味を始めたい、そして教えたいという人が2012年以降に大きくなる事が予想されます。

―「趣味なび」サイトの有料掲載
上野：当社のビジネススキームは教室側からの情報掲載料です。中小規模の教室や個人で教えている先生方は、予算が少ない中でどうやって生徒を集めるかに苦心されています。まずライトコースから入り教室情報を無料掲載します。そこに訪問営業すると2教室に1つは有料プラン加入、と掲載効果は良好のようです。有料プランには、写真掲載、地図表記、資料請求受付、クーポン券発行などの機能があるスタンダードコース（3,150円（税込）／月）と、動画プラスコース（5,250円（税込）／月）があります。管理も簡単で、ブログ感覚で更新が可能です。

―オフラインでの教室支援サービス
上野：オンラインの次は、レンタル教室紹介、動画撮影サービス、メディアへの講師派遣、教室スペースの空き時間の活用法提案もいたします。今後は地域や海外の伝統工芸を学ぶツアーの企画や、発表の場としてのイベント・コンテスト企画などオンラインに留まらない教室の支援をコンセプトに展開していきます。

―企業向けマーケティングソリューションの提供
上野：当社が保有する趣味教室のデータベースをコンテンツとして無料でOEM供給、集客エンジンとして活用していただきます。教育関連大手企業との提携も決まり、｢趣味なび」のPV（ページビュー）およびUU（ユニークユーザー）が増え、掲載教室のメリットにも結びつきます。今後はこのようにプラスのスパイラルを一緒に作っていける企業と積極的にアライアンスを組んでいきたいと思います。

※全文は「THE INDEPENDENTS」2010年7月号 - p04-07にてご覧いただけます