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「クラウド時代の流通戦略」

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ビープラッツ株式会社
代表取締役 藤田 健治さん

1969年 三重県四日市市生まれ。1988年 三重県立四日市南高等学校 卒業。1992年 東京工業大学工学部 卒業。1992年 三井物産入社。日本ユニシス、シマンテックなどIT分野を担当。2002年 ライセンスオンライン設立、代表取締役。2006年 当社設立、代表取締役社長 就任。

住所:東京都千代田区内神田3-2-8 COI内神田ビル4F
TEL:03-3526-8111 設立:2006年11月 資本金:2億4230万円(資本準備金2億3230万円)
http://www.bplats.co.jp/

―クラウド時代の新しい商社
藤田:SaaS(※)ベンダ(提供者)とサービス利用者とをつなぐ、クラウド時代の新しいプラットフォームサービスを提供しています。ITサービスが月額利用に変化していき、それに係る煩雑な申込解約管理、請求入金管理などのオペレーションを当社が一括アウトソーシングで対応します。大塚商会やダイワボウ情報システムなど大手流通会社6社とそれらの全国販売店にご登録いただいております。流通会社・販売店はプラットフォームサービスを無料で利用できることで、当社はこれから市場に参入するSaaSベンダの営業支援を行っています。

※SaaS:ソフトウェアをインストール不要で、使用したいときに使用したいだけサービスのように利用すること。収益モデルは、月額課金や年額課金など、利用した期間に応じて料金を支払うサブスクリプション方式が主流となる。

―IT流通市場の大きな変革期
藤田:IT製品が物販からサービスへ、所有から利用へとパラダイムシフトする中、IT流通は大きな変化が起きています。従来の一方通行の売り切りモデルと違い、月額利用料を基本とするサブスクリプションモデルは契約や受発注プロセスが全く違います。SaaSベンダやサービス数も劇的に増え、IT大手流通会社はそれらの煩雑化する業務への対応に消極的です。この変革期においてSaaS市場のロジスティクスを担う事は、大きなビジネスチャンスになると捉えております。

―流通会社へ取り次ぐビジネスモデル
藤田:流通会社や販売店は当社の『SaaSplats(サースプラッツ)』を利用して登録されたSaaSベンダの商品を取次販売いたします。サービス利用者からの代金回収を当社が行い、取次料として10%を販売店に、残りを流通会社とレベニューシェアしています。SaaSベンダは最初に『サースプラッツ』への会員登録料50,000円/年を支払ことにより、サースプラッツの様々なサービスを利用することができます。さらには当社が協業している大手流通会社の販売網に商品の取次を希望する場合は販売促進サービス料(マッチングサービス)として1流通会社当たり20,000円/月をいただいています。

―日本のソフト流通構造を熟知
藤田:前職三井物産時代にライセンスオンラインというソフト流通会社を売上約50億円まで育てました。日本ではソフトの流通経路は固定化されており、SaaS市場の立ち上げにおいてはいかに流通各社と手を組むかがポイントと考えています。今回、大塚商会とダイワボウ情報システムという流通大手と提携できたのは大きな意味があります。私たちは日本のIT業界の多階層的な流通構造を熟知しており、多階層での取次ビジネスを可能にするためには契約申込等の管理の一元化や課金決済の流れを簡潔にする必要性が大きくなると確信しています。

※全文は「THE INDEPENDENTS」2010年12月号にてご覧いただけます