■ 介護負担と向き合う決意からAI介護支援事業へ展開
創業者の三島氏は、NTTグループやメディア企業で新規事業開発を歴任し、数多くのIT企業でディレクター・顧問として活躍してきました。
システム開発事業を行う中で、AIを活用した介護支援サービス「DELNE(デルネ)」を構想した背景には、自身の認知症の母親が不安から繰り返し電話をかけてしまう状況を経験し、仕事をしながら対応せざるを得ない家族の精神的負担の大きさを痛感したことがあります。
「自分と同じように困っている人が全国にいるはずだ」。この思いを原動力に、「無から有を創り出し、新たな価値を社会に届ける」という理念を掲げ、介護離職ゼロの未来を目指してAI介護支援事業の立ち上げを進めています。
■ “家族の声”で寄り添うAI電話サービス「DELNE」
「DELNE」は、認知症の高齢者から家族に何度もかかってくる電話を、AIが家族の代わりに受けるサービスです。最大の特長は、ただの自動音声ではなく、家族の声をAIが学習し、本人に近い声で自然な会話ができる点にあります。認知症の方にとって“聞き慣れた声”は強い安心につながり、不安の軽減が期待されます。
また、AIが会話内容を自動でまとめて家族へ通知するため、利用者は仕事の合間に状況を確認できます。深夜の電話対応による睡眠不足や、職場での電話応対による生産性低下を解消し、働き続けられる環境を支える仕組みになっています。現在は広島県内で実証実験を進めており、2025年の本格リリースを見据えてサービスの精度向上が続けられています。

■ Salesforce事業で磨いた技術力を新たな介護インフラへ
当社は現在、Salesforce事業を主力として展開しています。Salesforceは世界15万社以上が利用する営業支援・顧客管理プラットフォームで、同社は導入コンサルティングから開発、運用定着まで一貫した支援が可能です。エンジニアの半数以上がSalesforce資格を保有し、ApexやVisualforceなど高度な開発にも対応できる点は大きな強みとなっています。
このSalesforce事業で培ったシステム開発力と顧客課題の解決力は、AI電話サービス「DELNE」の品質向上にも活かされています。
日本では2025年に認知症患者が約700万人に達するとされ、働きながら介護を行う家族は約365万人に上ると見込まれています。介護家族・企業・認知症患者・地域社会の“四者が幸せになる好循環”を目指し、広島から全国へと革新的なサービスを広げていきます。
コメンテーターより![]() |
AI電話自動応対サービス業界は、業界特化型のAIが台頭してきており、医療、行政、物流、不動産などドメイン知識を習得した専門ai電話が登場しております。 株式会社AGSコンサルティング 執行役員/関西エリア統括部長 渡邉 高広 氏 |
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