■ 外国人に自然に受け入れられる仕組み
当社の事業は2つの柱で構成されています。1つは「OHINERI System」で、外国人観光客がQRコードを通じて感謝を伝えられるデジタルチップサービスです。特に欧米や豪州からの旅行者はチップ文化に慣れており、この仕組みを自然に受け入れやすいという強みがあります。
もう1つは自社運営の文化体験コンテンツで、京町家を舞台にした貸切型茶道体験を2025年秋に開業予定です。月間500名の来客を見込み、高収益モデルの基盤となります。
■ 1号店から全国へ拡大する店舗戦略
当社ではシステム提供にとどまらず、店舗展開を成長の軸としています。2029年までに全国で80店舗を目指し、直営・フランチャイズ・運営代行を組み合わせて拡大します。主要観光都市に拠点を構え、体験料・チップ・小売を組み合わせた複合収益モデルで、1店舗あたり年間3,600万円の売上を想定しています。
■ 規制を逆手に取るユニークな発想
体験後に感動を共有する時間を設け、自然にチップへとつなげる仕組みが特徴です。また、日本特有の民泊規制である年間180日営業制限を逆手に取り、残り日数を文化体験事業として活用するモデルも展開します。これにより、民泊事業者の収益を拡大し、観光市場全体の成長にも寄与します。
■ 未来に描く感動体験経済のスタンダード
短期的には京都の1号店を確実に成功させ、SNSやOTAを通じてブランド力を高めつつ、2号店・3号店へと展開していきます。中期的には主要都市に80店舗を構え、訪日観光客の導線に沿って全国的なブランドを確立します。長期的には文化体験と宿泊を組み合わせた高単価商品を育成し、2030年には年間70億円規模の売上を目指します。OHINERIは日本の伝統文化と世界のチップ文化を融合する独自モデルをもとに、観光市場に新しいスタンダードを築こうとしています。
コメンテーターより![]() |
キャッシュレスでのチップ受領システムを展開するOHINERIは、自社システムと文化体験型事業の親和性に着目し、自らも体験コンテンツの提供に挑戦します。 こうしたコンテンツ提供に際しては、自分たちが提供するコンテンツのテーマやコンセプトの周知を通じて、サービスを適切にブランディングしていくことが肝要です。商標は、サービスへのイメージや信用を蓄積・化体させることが可能な点で、上記のようなブランディングに適した知財であり、積極的な活用が推奨されます。 弁護士法人 内田・鮫島法律事務所 弁護士 稲垣 紀穂 氏 |
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