<イベントレポート>

2025年5月28日 四国インデペンデンツ&MEETUP WEST
@ 四国経済産業局
+ Zoom ウェビナー配信

■ イベント詳細 https://www.independents.jp/event/763

 

<ご挨拶>

四国経済産業局
地域経済部長 山下 健二 氏


四国経済産業局 地域経済部長 山下 健二 氏

<特別セッション>

(パネリスト)
HOXIN株式会社
マネージャー
福井 健太郎 氏
 

 


四国経済産業局
地域経済部 新産業推進課
課長補佐
安田 健 氏
 

 


(モデレーター)

インデペンデンツクラブ
代表理事
松本 直人 氏
>HOXIN株式会社 マネージャー 福井 健太郎 氏   四国経済産業局 地域経済部 新産業推進課 課長補佐 安田 健 氏   インデペンデンツクラブ 代表理事 松本 直人 氏

■ はじめに

 四国地域では、経済産業省による「J-Startup WEST」制度を通じて、スタートアップ支援のエコシステムが急速に整備されつつあります。徳島・香川・愛媛・高知の4県から合計25社がJ-Startup WESTに選定され、分野も製造、医療、環境、バイオ、ソーシャルなど多岐に渡ります。

J-StartupWEST選定企業一覧(四国地域25社)J-StartupWEST活動イメージ

■ J-Startup WESTに見る四国のスタートアップの特徴

 四国地域のスタートアップには、地域資源や社会課題を基盤とした独自性が見られます。農林水産、環境、福祉、エネルギーなど、地域との結びつきが強い分野での事業が多く、社会実装志向が高いことが特徴です。また、小規模ながら高い専門性を持つ企業が多く、協業や共創によってスケールを目指す傾向があります。さらに、一次産業に根ざした高度技術の応用や、地域社会と共生するビジネスモデルが多く見られ、全国のモデルケースとなりうる事例が育ちつつあります。

■ 徳島大学発ベンチャーへの注目

 四国地域において、徳島大学は技術系スタートアップの育成拠点としても注目されています。医療・創薬・バイオ・ヘルスケア分野での研究成果を背景に、大学発ベンチャーが多数誕生しており、その中にはJ-Startup WEST選定企業も含まれます。特に、大学の研究者が経営にも関わり、研究成果を社会実装する体制が強化されている点が特色です。

 代表的な企業には以下のとおりです。

・(株)SmartLaser&PlasmaSystems(レーザー・プラズマ技術)
・(株)セツロテック(ゲノム編集技術)
・(株)amidex(歯科用機器)
・(株)Egret・Lab(エクソソーム精製技術)
・(株)クロスメディスン(赤ちゃんの感情分析)
・(株)サウスウッド(医療AI)
・小胞体ストレス研究所(株)(細胞ストレス応答解析)

これらの企業は、大学との連携体制や研究人材を活用しつつ、地域外の支援者・投資家とも連携して事業を成長させています。また、医療機関や自治体との協力により、試験導入や実証の場を地域内で得やすいという利点もあります。

■ 資金調達の動向と支援プレイヤーの役割

 四国地域のスタートアップにとって、資金調達は依然として課題の一つであるが、近年は数千万円〜数億円規模の資金調達を実現する企業も現れています。

 香川県高松市を拠点とするHOXIN㈱は、地方に特化した直接投資型の支援を展開しており、これまで32社に出資、㈱リブル(徳島)、㈱Raise the Flag.(香川)、㈱Soilook(香川)などそのうち約半数が四国に関わる企業です。HOXIN㈱は、ファイナンス支援のみならず、創業期から採用・営業・人材開発まで伴走支援を行うハンズオン型投資家として、地域のスタートアップに不可欠な存在となっています。また、同社は中四国Startup Runwayや地域アクセラレーションプログラムにも参画し、外部資本や支援機関との橋渡し役も果たしています。

■ コミュニティ形成と人材流動性の変化

 スタートアップの成長には、資金だけでなく人材や仲間の存在も不可欠です。地域事業者との勉強会や、J-Startup WEST企業同士の意見交換・視察イベント(MEETUP WEST)などを通じて、企業間の共創と学びのネットワークも広がっています。

 

※「THE INDEPENDENTS」2025年7月号 P.6 より
※ イベント開催時点での情報です