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「日本のイノベーションと地方の自立」

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公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会
会長 池田 弘さん

昭和24年新潟市生まれ。新潟南高等学校卒業後、國學院大学で神職を学ぶ。昭和52年、愛宕神社宮司に就任。同年、新潟総合学院を開校、理事長に就任。平成8年株式会社アルビレックス新潟の代表取締役社長に就任(現在は取締役会長)。平成17年、日本初のプロバスケットボールリーグ「bjリーグ」の設立に尽力。現在は起業支援に力を入れており、501社の公開並み企業の立ち上げ、育成を目指す起業支援プロジェクトに取り組んでいる。

事務局所在地:東京都港区赤坂1-11-28 常和赤坂一丁目ビル7階
TEL:03-3584-6077(代表) FAX:03-3584-6081
http://www.nbc-japan.net/

アベノミクス3本目の成長戦略、創業率10%を目指す国家戦略において、全国のニュービジネス協議会の「地方の自立」をテーマにした活動が期待されています。

私は新潟市古町の神主の子供でした。30年前は新潟県で最も賑やかな商店街でしたが人口は半減、宮司の仕事も細っていきました。大学進学後に新潟へ戻った私は教育および専門学校事業を興しました。しかし大学は東京に集中し、専門学校の信用もありません。そこでビジネスからアニメ、福祉分野まで時代のニーズに合わせ、東京以上の教育内容を作り、資格試験の合格率を高めていきました。「ストップ・ザ・東京」。若者を育てない地方は衰退していきます。NSGグループは38年目で3,800名の常勤スタッフが働く大きな組織に成長し、これまでに全国の地方100箇所の教育事業をコンサルしてきました。

1998年に「アルビレックス新潟」の代表に就任しましたが、経営的には非常に厳しかった。その時の支えになったのが「おらがチーム」というコンセプトです。ほとんどのJリーグサッカーチームは大企業の子会社です。大手スポンサーのない私たちは、県民の皆さんに広く薄く、ちょっとずつ支えていただくしかありません。観客動員日本一となり、J1に2年半で昇格して黒字転換、そして10年間J1に留まっています。
3.11は人間の幸せとは何かを見つめ直す機会となりました。上場して成功すれば幸せか。経済優先の社会でいいのか。地方には自分のふるさとを大切にしている人が沢山います。私がJNB会長に就任したのは時代の要請だと勝手に思っています。

江戸時代はそれぞれの藩は自立していました。地方も経済的に自立する必要がります。地方に個性がなくなれば疲弊衰退していきます。大企業は経済合理性で動きます。工場は海外へ移転して地方に就職の場はありません。日本は安全、安心という教育ばかりでチャレンジする事を教えてきませんでした。昔のIPO企業は中卒、高卒の社長ばかりでした。今、IPOをチャレンジする人は増えていますが、まだまだ少数派です。大卒の6割しか就職できない状況では、自分自身がチャレンジするしかありません。日本にはベンチャー精神はもともとあります。しかし戦後の中央集権主導でベンチャー精神が衰退しました。

明治維新は欧米列強の植民地化に対する危機感から日本を救うための戦いでした。しかし一方で大量の侍たちが失業しました。渋沢栄一はこのままでは植民地になるという危機から、大蔵省を辞め第一銀行をはじめ500社設立しました。私は尊敬する渋沢栄一を超える501社の公開並み企業の立ち上げ、育成を目指す起業支援プロジェクトに取り組んでいます。若者がチャレンジするエネルギーが地方を救い、日本を21世紀型の新たな成長戦略へと導いていくと確信しています。

【特別寄稿】日本の若者の変革力に期待しよう!!(松田修一)

※全文は「THE INDEPENDENTS」2013年8月号 - p5にてご覧いただけます