<イベントレポート>

2025年2月3日 東京インデペンデンツクラブ
@ SENQ霞が関
+ Zoom ウェビナー配信

■ イベント詳細 https://www.independents.jp/event/756

 

 

トークセッション②『リーンローンチパッドプログラムからの起業』

リーンローンチパッドプログラムの概要


スタートアップ・ブレイン(株) 代表取締役 堤 孝志 氏  

スタートアップ・ブレイン(株) 代表取締役
LLP講師
堤 孝志 氏 

事業化プロセスを活用してスタートアップの投資育成を行うインキュベーションプログラムを運営する。総合商社、シリコンバレー及び国内のVCでの通算20年以上にわたる新規事業の立ち上げとベンチャー投資の経験と、「顧客開発モデル」等の事業化手法の知見とをブレンドした経営支援が強み

スタートアップ・ブレイン(株)

堤:リーンローンチパッドプログラム(LLP)は、成功起業家のスティーブ・ブランク氏により2011年にスタンフォード大学で始まり、日本では2012年から同氏のサポートを受けて私が展開しています。このプログラムは、新規事業創出のための体系化された手法を、3ヶ月間で全6回、2週間サイクルで学びながら実践できる点が特徴です。アイデアを出す手法を学んでは実践し、検証する方法を学んでは実行するという形で進めていきます。

長岡技術科学大学でのスタートアップに対する取り組みとLLP


長岡技術科学大学 技術科学イノベーション系 教授 片川 真実 氏  

長岡技術科学大学 技術科学イノベーション系 教授
片川 真実 氏

複数のベンチャーキャピタル・PEファームにて勤務。複数のベンチャー企業で取締役・監査役等マネジメント業務に従事。並行して2015年10月より長岡技術科学大学において大学発スタートアップを支援。


片川:
長岡技術科学大学では国際産学連携機構のスタートアップ支援部門が中心となり、教職員・学生等のスタートアップ支援を行っています。LLPは当初、本学の授業の一環としてスタートしましたが、顧客検証の重要性を学べるプログラムとして高く評価し、長岡市全体での展開を提案したのが現在のLLPの始まりです。
長岡技術科学大学におけるスタートアップに関する取り組み

LLP成功事例と好循環の形成

堤:2019年から長岡市主催で開始し、現在6期目を迎えています。毎回20~30人が参加し、これまでに123人が受講し、8社のスタートアップを輩出しています。参加者は長岡技術科学大学や高専の学生、社会人など多様で、土日開催かつ無料で提供しており、英語での補講も提供しています。


(株)スタイルアーツ 代表取締役CEO 芝田 龍正 氏  

(株)スタイルアーツ 代表取締役CEO
LLP卒業企業
芝田 龍正 氏

苫小牧高専卒業、長岡技術科学大学大学院修了。
大学3年次にLLPに参加。パーソナルジムを2店舗開業、スタイルアーツ起業。
国立スポーツ科学センターで「車いすスポーツ×AI」を研究。
新卒で(株)U-NEXT HOLDINGSに入社。


芝田:
私は北海道出身の高専卒業生で、長岡技術科学大学に3年次編入後、LLPに参加しました。現在はAI開発やDX支援を行う(株)スタイルアーツを経営する傍ら、U-NEXT HDのAIラボで新規事業開発責任者も務めています。スタイルアーツでは約10名のLLP参加者をインターンやアルバイトとして受け入れており、そこから刺激を受けて新たにLLPに参加する学生も現れるなど、起業家育成の好循環が生まれています。

LLPネットワークと地域への定着

堤:現在、LLPは全国13の大学・自治体で実施されています。今年3月には京都で各地の最優秀チームが集まる全国大会も開催します。また、大手企業の社内新規事業創出プラットフォームとしてもLLPを展開しています。2025年度は長岡市において、地元企業からの参加者と学生が半々になることを目指しています。企業内の新規事業にも同じ手法が活用でき、学生と企業の相互刺激による新たなイノベーション創出が期待できます。

片川:大学では3ヶ月に1回、東京のベンチャーキャピタリストや地元金融機関関係者等を招いて、事業アイデアの検証機会を設けています。金融機関の方々は取引先企業の紹介など、具体的な事業化支援も行ってくださり、長岡では地域一体となった支援体制が構築されています。


※「THE INDEPENDENTS」2025年3月号 P.5 より
※ イベント開催時点での情報です

 


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