<イベントレポート>

2025年2月3日 東京インデペンデンツクラブ
@ SENQ霞が関
+ Zoom ウェビナー配信

■ イベント詳細 https://www.independents.jp/event/756

 

 

トークセッション①『地方創生と企業の地方進出』

長岡市の地域特性と強み


長岡市 商工部長 西山 裕介 氏  

長岡市 商工部長
西山 裕介 氏 

産業政策全般を担当。産業支援課、産業立地・人材課、産業イノベーション課の3つの課を管轄し、市長の掲げる「イノベーション創出」を推進


西山:
長岡市は4大学1高専、15の専門学校を有し、6500人以上の学生が在籍する都市としての顔を持っています。また、工場出荷額6500億円を誇る製造業の集積地であり、作付面積全国2位の広大な田園地帯と16の酒蔵を有する農業・醸造業の拠点でもあります。東京から90分という好アクセスと、15分圏内で海やスキー場にアクセスできる豊かな自然環境を兼ね備えています。
長岡市のプロフィール

 

長岡市の企業誘致の実績と取り組み


(株)アステラ・サーチ 代表取締役社長 野崎 義朗 氏  

長岡市企業誘致アドバイザー
(株)アステラ・サーチ 代表取締役社長
野崎 義朗 氏

(株)アステラ・サーチの代表取締役社長として人材紹介事業を運営する傍ら、4年前から長岡市の企業誘致アドバイザーを務める。リクルート出身で30年に渡る人材ビジネスの経験を活かし、東京の企業ネットワークを通じた誘致活動を展開。


野崎:
過去4年間で17社の企業誘致に成功し、その6~7割がIT企業という実績を上げています。進出企業による現地雇用は122名に達しています。また、市内では「長岡ワーカー」という新しい働き方を推進しています。これは東京と同等の処遇でリモートワークを行う制度で、地方であることを理由とした給与水準の低下を防ぎ、U・Iターン人材の確保に効果を上げています。
長岡市サテライトオフィス誘致事業

 

地方進出のメリットと可能性

野崎:人材採用における優位性が大きな魅力です。IT人材の求人倍率が東京で14倍という状況下、長岡市は大手企業の進出が少なく、人材獲得の機会が豊富です。特に、長岡技術科学大学には250人以上の留学生が在籍しており、グローバル人材の採用可能性も高いと考えています。


(株)イードア 新潟支社長 石川 翔太 氏  

新潟県IT企業誘致アンバサダー
(株)イードア 新潟支社長、LLP2024コメンテーター
石川 翔太 氏

(株)イードアの新潟支社長として、新潟県のIT企業誘致アンバサダーを務める。長岡市では、経産省の「未踏」プロジェクトの事務局運営や、地域の子ども向けIT教育、地元中小企業のDX支援などを手がけている。


石川:
IT企業にとって「タイムマシン経営」が可能な特徴があると思います。東京で実績のある技術やサービスを地方に展開することで、確実な成長が見込めます。また、地域のつながりの強さを活かしたトラクションの確保しやすさも魅力として挙げられます。

今後の展望と注力分野

西山:長岡市は、バイオテクノロジー分野に注力しています。内閣府が2030年に100兆円規模と予測する市場において、広大な農地から生み出される未活用資源の活用が期待されます。また、製造業分野では、パワーエレクトロニクス研究会を立ち上げ、7つの研究機関と100人の研究者を結集し、テック系スタートアップの成長支援を展開しています。

石川:近年では、オイシックス社によるフードテックタウン構想や新経済連盟の新潟進出など、スタートアップエコシステムの形成が加速しています。スタートアップ拠点都市として活動の一体化を目指すなど、5大都市に次ぐイノベーション拠点としての地位確立を目指しています。今後も、長岡市の持つポテンシャルを活かし、新たな企業の誘致とスタートアップの成長支援を続けていきます。


長岡市 商工部 産業イノベーション課 スタートアップ推進アドバイザー 河野 一樹 氏  

(モデレーター)
長岡市 商工部 産業イノベーション課
スタートアップ推進アドバイザー
河野 一樹 氏 

東京と新潟に拠点を持つ(株)イードアに2015年から勤務し、スタートアップ企業の成長支援に携わる。2024年からは地域活性化起業人として長岡市役所に出向。


※「THE INDEPENDENTS」2025年3月号 P.4 より
※ イベント開催時点での情報です

 


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