「いま、何故クラウドファンディングが注目を浴びているか」
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日本クラウド証券株式会社
取締役会長 出縄 良人さん
1961年静岡県生まれ。1983年慶應義塾大学経済学部卒業後、監査法人太田哲三事務所(現・新日本有限責任監査法人)入社。1993年株式会社ディー・ブレイン設立。1997年ディー・ブレイン証券株式会社(現・日本クラウド証券)設立。2013年2月より現職。
所在地:東京都港区六本木7-4-4 六本木Artshell
設 立:1993年2月 資本金:55,000千円 代表取締役:大前 和徳 氏
http://www.midori-sec.co.jp/
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―日本のクラウドファンディングの方向性クラウドファンディング(Crowd Funding)とは、資金を募集するプロジェクトや企業に対し、主にインターネットを通じて幅広く個人が応募して小口の資金が流れる仕組みです。(1)寄付型、(2)報酬型(購入型)、(3)貸付型、(4)ファンド型、(5)株式型がありますが、共通のキーワードは、共感、参加、インターネットです。現状では有価証券の募集を行うには、金融商品取引法による業者規制と開示規制をクリアする必要があります。非上場株式は、証券会社も含め仲介業務が認められていません(グリーンシート銘柄は除く)が、クラウドファンディング銘柄の取扱については新たな業者制度の導入が検討がされています。日本では50名以上に声をかけて株式を発行する公募(募集)と、それ以外の私募では開示規制(届出書)や開示コスト(2期監査)に違いがあります。投資家の適合性原則に基づき、投資家一人あたりの投資金額の上限を設けることで簡易な投資勧誘資料でも募集可能とする他、監査用件や継続開示についても大幅緩和の議論がされています。
―注目されるコミュニティ型(拡大縁故型)資金調達
米国でも創業時の資金調達はFAMILIY&FRIENDSによる縁故増資から始まり、徐々に株主を広げていきます。ベンチャーキャピタル(VC)は上場(IPO)が見える一定規模の会社に投資をしてIPO後に市場売却して利益を得ます。これまでの証券市場は株好きの人に株を売ってきましたが、経営者は必ずしも株好きの人に株主になって欲しいわけではありません。本来は会社や事業に関心・愛着を持って長期に会社を応援してくる人を株主にしたいと思っています。非上場株式であるグリーンシート市場は、会社のファンが株主となる「コミュニティ型募集」による資金調達の場です。
―中小企業の成長を支えるインフラづくり
私は監査法人で上場支援業務に8年間従事した後、1993年に独立し中小企業の成長支援コンサル事業を始めました。当時、米国では地ビール会社がインターネットを通じた資金調達例が話題になっていました。そこで日本でも中小企業のために資金調達インフラを作ろうとグリーンシートを立ち上げ、ディー・ブレイン証券を設立して未上場株式の取扱いを始めました。1997年のグリーンシート発足以来、企業数は148社、公募資金調達は95億円で、その9割以上をディー・ブレイン証券が手掛け、うち16社が新興市場へ上場しています。
―上場企業まで手を広げて反省
しかし収益的にはずっと厳しい時期が続き、8年目にようやく黒字達成できました。2005年には年間82社がグリーンシート登録し、更に福証Qボード、札証アンビシャスという地方取引所上場において12社の主幹事を行いました。しかしここで経営判断を見誤りました。ちょうどその頃からIPO市場が下り坂となる一方、新規上場企業の引受業務に更に力を入れていきました。人件費などコストが急激に膨らみ、10期からは再び経常赤字に転落しました。社員のリストラを断行し最後は自分自身をリストラしました。当社の株主数は1,500名で私は持株比率3.5%の少数株主です。今考えれば、自分達で立ち上げたグリーンシ?ト事業にもっと力を入れるべきでした。
―総合クラウド証券会社として中小企業支援に再チャレンジ
2010年にディー・ブレイン証券の代表取締役を退任した時には復帰するとは全く考えていませんでした。私は(株)出縄&カンパニーを設立し、日本企業の海外向け発信ポータルを創設など中小企業の支援を行っていました。ところが新しいオーナーを迎えたみどり証券(デイー・ブレイン証券から社名変更)はFX業務への転換が予定通りに進まず、ソーシャルレンディング事業を準備中だった大前和徳氏(現代表取締役社長)の提案で当社を買収(MBO)する事になりました。証券業務を熟知している私は事業をサポートするために取締役会長に就任しましたが、経営の方向性は大前社長を中心に決めていきます。今後は株式型だけでなく、公募社債(未上場・無格付)、事業ファンド型や貸付型(ソーシャルレンディング)など総合クラウドファンディングを目指します。
【コラム】クラウドファンディングとは(秦信行)
※全文は「THE INDEPENDENTS」2013年8月号 - p10にてご覧いただけます