「ロボットとAIで“においのビジネスプラットフォーム”を構築します」
<起業家インタビュー>
― 嗅覚のDXによる市場のインパクト
私たちは『鼻』にあたる『においセンサー』と、『脳』にあたる『AI』を独自開発することによって嗅覚を再現します。デジタル化された嗅覚によって、いつもと異なるにおいを識別することや、香りの表現に基づいたにおいの定量化が可能となります。食品の腐り具合を確認したり、ガス漏れを判断したり、人は無意識のうちに嗅覚からの情報を頼りにしています。「におい」の可視化・デジタル化が進むことで、食品、環境、農業、医療業界などに対し、においに関する課題を解決するソリューションを提供しています。具体的には、食品工場におけるカビの検知、牛の肺炎の診断、介護施設におけるオムツ交換のタイミングの検知、化粧品の品質検査、水道水のカビ臭検知など、様々な分野で活用されています。
― 「におい」のビジネスモデル
「におい」の判断基準は遺伝的違いや文化的違いなど極めて属人的です。この課題をセンシングデバイスとAIで代替することにより「世界のにおいデータプラットフォーム」を構築していき、医療介護や食品業界へコンサル業務を行っていきます。また、「におい」を人が感知するメカニズムを確立し香料の組み合わせで再現が可能になれば、環境に応じた「におい」を発生させる事もでき、プリンターのトナーのような「においトナー」で消耗品ビジネスもできると考えています。
― 幼少期から北九州でロボット技術を磨く
私は北九州市出身で、小学校時代から「ロボカップ」に8年間参加し、世界大会で2位という成績を収めることができました。その時に「なぜロボットには鼻がないのだろう?」という疑問を抱き、長崎大学時代には卒業論文のテーマにもしました。私の親族には父も含めほとんどが自分で起業しており、就職するという選択肢は頭にありませんでした。開発には自信があったので広告会社向けプレゼンロボット制作会社を東京で創業しました。収益も上げる事はできましたが、小学生からの夢であった「におい」をテーマにした事業にチャレンジしたいと思い、現在の株式会社レボーンを設立しました。
― 残された唯一の感覚器官「におい」の民主化を実現
視覚や聴覚などの研究は盛んに行われており、19世紀後半から20世紀前半にかけては、すでにカメラやマイクの前身となる機器が発明されました。一方、嗅覚の重要な構成要素となる受容体が発見されたのは1991年。ノーベル生理学賞でその功績が認められたのも2004年であり、味覚、触覚も含めた五感の中で最も研究が遅れている感覚です。私たちはすべての人が自由に「においい」に触れられる「においの民主化」を、「前人未到の山に登りたい」というビジョンを共有できるメンバーと共に、実現したいと思っています。そのためには、たゆまぬ研究開発と実証実験の繰り返しの長い道のりにはなりますが、競合先はほとんどなくブルーオーシャンであると考えています。
interviewed by kips 2024.10.16
【株式会社レボーン】 (→イベント登壇情報)
設 立:2018年12月27日
所在地:東京都中央区新川1-25-2
資本金:3,368, 979千円(資本準備金を含む)
役員:(代)松岡広明、永田富治、福井俊平、(監)岸原稔泰
事業内容:「におい」のAI・DXソリューション
従業員:12名
【代表者略歴】 株式会社レボーン
|
※「THE INDEPENDENTS」2024年11月号 - P.2-3より
株式会社レボーン
- 住所
- 東京都中央区新川1-25-2新川STビル2F
- 代表者
- 代表取締役 松岡 広明
- 設立
- 2018年12月27日
- 資本金
- 3,368,979千円(資本準備金を含む)
- 従業員数
- 12名
- 事業内容
- 香り×AI×IoTにおける研究開発
- URL
- https://www.revorn.co.jp/