コンサルティングから始めるAI型検査装置販売事業
株式会社Mirume AI 代表取締役 大野 一茂 氏
AIを活用した検査装置のコンサルティング販売事業を展開し、製造業の品質保証の向上を目指しています。従来の検査装置では検出が難しかった微細な欠陥を検出できる「新手法AI」を搭載した検査装置を強みとしています。また、大阪公立大学全固体電池研究所と共同で、全固体電池の製造プロセスにおけるAI活用も推進しています。 私は約30年間イビデンで製造業に従事しており、主に研究開発に携わりました。この間、国内外で多数の特許を出願・取得し、技術者として高い専門性と豊富な経験を積みました。また、工学博士号やMBAを取得した後に、ゴム部品製造業を営むブレインシール株式会社で社内のDX化や新規事業開発を推進しました。そこで導入したAI検査装置が評価され、その経験を活かしてMirume AIを創業しました。 当社は製造業の課題解決のため、AIを活用した2つの製品を提供しています。 1つ目はAI搭載の外観検査装置です。従来の人目による検査では、見逃しやばらつきが課題でしたが、当社の検査装置は良品を学習させることで異常を高い精度で検出するAIモデルを構築し、異常箇所をヒートマップで分かりやすく表示します。これにより検査の効率化、コスト削減、品質向上が実現できます。また、導入前の実現可否検証や投資回収シミュレーション、AI人材育成などのコンサルティングも提供し、顧客のニーズに最適なシステム構築を支援します。 2つ目は全個体電池の研究開発を加速させるサービスです。全固体電池の性能を左右する材料解析には、従来高価な透過型電子顕微鏡(TEM)と専門家の知見が必要でした。当社は、AIによるTEM画像の自動解析システムを開発し、解析時間を大幅に短縮し、さらにAIを用いて材料設計やプロセス条件を最適化することで、高性能な全固体電池の開発を加速させます。 製造業のDXを推進し、より安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献していきます。 |
|
||
コメンテーターより・・・ |
労働人口の減少による人手不足という社会課題は我が国における解決すべき問題であり、AIによる解決があらゆる産業において模索されている。その中でも、検査員の人手不足は、製造業における生産能力にも大きな影響を与えかねない重大な問題であると思われる。株式会社MirumeAIは、AIとハードウェアを組み合わせたロボットでこの問題を解決しようとしているが、今後の開発の進展に注目したい。 弁護士法人 内田・鮫島法律事務所 弁護士 藤田 達郎 氏 |