微生物の力で、未来に残せる安全な土壌を作る

株式会社iDECOM 代表取締役 近藤 賀慎

私たちは、「バイオレメディエーション」と呼ばれる微生物環境修復技術により、土壌改善と飼料製造を行っています。化学肥料や農薬の大量使用によって減少した肥沃な土壌の再生に力を入れており、土壌に生息する有用微生物を利用して、農業の持続可能性を向上させることを目指しています。

代表的な製品である微生物発酵飼料「バイタルバイオ」は、酵母菌やバチルス菌、乳酸菌といった有益な微生物を使用し、家畜の腸内環境を改善することで、免疫力の向上や食肉の質を向上させる効果があります。現在、北海道内の11,000頭(北海道全体の1.5%)の乳用牛に使用されており、北海道でのシェア拡大、本州での展開も予定しています。

農家の方々に向けて微生物を活用した堆肥製造の指導も行っており、農家のニーズに合わせたオーダーメイドの微生物資材を提供しています。さらに家畜の排泄物を利用した堆肥やスラリー(ふん尿混合液肥)の肥料への活用による農産物を生産することで、持続可能な農業環境の構築を目指しています。

2025年に完成する新工場で量産体制を確立するともに、北海道大学大学院地球環境科学研究院、国際食資源学院とも連携実施し、微生物を活用した「病原菌防御方法の確立」「新たなバイタルバイオの開発」「活用が見込める新たな微生物の探索」などのさらなる技術革新により、農業界における新しい可能性を切り開いていきます 。

 

 

 

 

コメンテーターより・・・
 

持続可能な農業の実現が世界的な課題となる中、貴社が取り組まれているバイタルバイオに係る技術は、このようなニーズに合致するものであり、発展の余地が大いにあるものと感じました。
また、外国産の微生物についても外来種と捉え、日本由来の微生物に拘る点についても、共感する生産者は多いものと存じます。
今後は、北海道のみならず、日本全国に市場を拡大し、日本における循環型農業の実現に大きく貢献されることを期待しています。


弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 井上 修一 氏

 
※「The INDEPENDENTS」2024年9月号 - P.10 掲載