非可食のバイオマス資源によりカーボンニュートラル製品を製造し、資源循環を実現する
株式会社グリーンケミカル 代表取締役 張 錦良
当社は非可食のバイオマス資源からカーボンニュートラル製品の製造技術開発を行っています。近年、石油資源の枯渇問題からバイオマス資源の活用が求められています。バイオマス製品は、地球の資源を保護しつつ、エネルギーの自給自足を促進し、地域経済を活性化する可能性を秘めています。また、世界中で石油資源プラスチックであるPET樹脂の代替としてPEF樹脂に注目が集まっています。 当社のコア技術は、木質パルプやもみ殻等の非可食のバイオマス資源であるグルコースから、独自の触媒反応プロセスでHMFを高純度で製造し、それを中間体として用い、独自開発の酸化反応でFDCAを製造する技術です。バイオマス資源由来のFDCAからPEF樹脂を製造するため、枯渇資源である石油原料を使用せず、持続可能なバイオプラスチックの製造を目指しています。 国内競合と比較した当社の強みはHMFとFDCAの製造技術・実績です。海外競合と比較した際、触媒反応により製造エネルギーを削減可能であり、製造技術がシンプルなため遊休設備を利用することができます。また、HMFはバイオベースのプラットフォーム化合物であり、FDCA以外のも幅広く多様な芳香族バイオプラスチックへの展開を目指していきます。一例として、開発を進めているBAFは、芳香族ポリアミド樹脂の原料となる化合物で、100%バイオベースで、かつ強い性質のアラミド樹脂の原料としての活用が期待されています。 収益構造としては、HMFとFDCA製造のライセンスビジネス、触媒の製造・販売、HMF誘導体の製造・販売です。2024年に基礎開発の完了をさせ、2025年からパートナー企業とともにパイロット実証を目指していく計画です。 |
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コメンテーターより・・・ |
「非可食のバイオマス資源によりカーボンニュートラル製品を製造し、資源循環を実施する」ことの意義・社会的価値など疑う余地もありません。 これまで数多くの素材開発・環境技術のベンチャー企業を見てきましたが、数多くの企業は「収益モデル」の確立と、想定以上にかかる「資金」と「時間」の壁にその成長を阻まれてきました。今後もインディペンデンツ事業計画発表会に継続的に登壇し、また他のイベントにも積極的に参加するなどし、事業や資本の提携を図っていくことが必要になると思われます。
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