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「関西IPO活性化の旗振り役」

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太陽ASG有限責任監査法人
総括代表社員代行 兼 大阪事務所長 山田 茂善さん

1954年大阪府大阪市生まれ。1977年同志社大学経済学部卒業。1982年デロイト・ハスキンズ&セルズ公認会計士事務所(現・有限責任監査法人トーマツ)入所。1986年監査法人中央会計事務所(旧みすず監査法人)入所。1988年太陽監査法人(現・太陽ASG有限責任監査法人)大阪事務所入所。2009年同監査法人大阪事務所長就任。2012年同監査法人統括代表社員代行就任。

大阪事務所:大阪市北区中崎西2-4-12 梅田センタービル25階
TEL:06-6373-3030 FAX:06-6373-3303
http://www.gtjapan.or.jp/

2012年10月2日大阪インデペンデンツクラブにてパネリストを務める山田茂善さんに、関西地域のベンチャー環境やIPO活性化に対するお考えについてインタビューしました。

―IPO市場が回復する中、関西、特に大阪発のIPO企業が少ないように思います
関西は新しいものへ挑戦する風土があり、ユニークな起業家も多くそれが関西の活性化に結びついていました。しかし最近は、すべて東京と同じスタイルになってしまい、アイデンティも競争力も無くしています。元気なベンチャーが東京に移転しまうケースもあり、それらが関西IPO減少の要因だと思います。

―関西はもっとアジアとの結びつきを強化すべきという意見ですね
中国は組織より個の信頼性が大切。スピーディーな意思決定ができないとビジネスチャンスを逃してしまいます。その点せっかちで思ったことをストレートに言える関西の経営者はアジア向きです。

―先日パチンコホールのダイナムが香港上場しました
海外市場を視野に入れるならば、資金調達をグローバル化させることも極めて重要です。当監査法人も海外上場を積極的に支援していきます。

―国内5位の監査法人として独自性は何ですか
ベンチャー企業は優等生ばかりではありません。特に経営・管理・財務に関しては、十分な知識・経験を持たれていないケースが多いので、懇切丁寧に指導させて頂き、経営者との信頼関係の構築に力を注いでいます。グローバル対応面では、世界100カ国以上にファームを有するグラント・ソントンと提携しております。アジアを中心にサービス強化のため公認会計士を出向させています。

―橋本市政になって大阪経済に変化はありますか
梅田北ヤードの再開発は大阪活性化の象徴であり、大阪市も全面的にバックアップしています。特に世界の有力企業の研究開発拠点誘致と、ベンチャーインキュベーション施設に力を入れています。

―関西IPOの活性化のために必要な事は何でしょうか
証券取引所を中心にIPO関係者の連携を深める事です。創業ベンチャーに対して、エンジェルや金融機関がタイムリーに資金提供できる環境づくりが必要です。

―関西には阪大、京大を中心としたバイオ関連企業が集積しています
特にバイオベンチャーは必要資金も多額で期間も長くなります。バイオベンチャー育成には、これを人・物・お金の面で長期的にサポートできるしくみを構築することが必須です。

―大企業からのスピンオフも増えています
三洋電機、シャープなどの技術者が起業するケースが増えています。大企業のリストラの受け皿としても関西ベンチャー企業の活性化が望まれています。

―今年から全体を統括するようになりました
大阪事務所長が長かったのですが、8月より事務所全体の管理組織を統括するため、東京へ毎週行くようになりました。商人大阪の文化を東京に持ち込みつつ、東京の活気を大阪に持ち込んでいきます。

※全文は「THE INDEPENDENTS」2012年9月号 - p12-13にてご覧いただけます