「防災業界のDX化「スマテンBASE」」
=$DATE?> 公開
<話し手>
<代表取締役社長 都築 啓一 氏 略歴>
生年月日:1990年3月28日
出身高校:碧南高校
名城大学中退後、飲食店経営、太陽光発電関係の経営を経て2018年株式会社スマテン設立、代表取締役CEO就任。
【株式会社スマテン】
【設 立】2018年4月17日
【所在地】愛知県名古屋市中区栄1-16-15 伏見DOビル7階
【資本金】160,000千円(資本準備金含む)
【株 主】経営陣、VC、事業会社
【役 員】(代)都築啓一
【事業内容】法令点検管理ソフト「スマテンBASE」、消防点検アプリ「スマテンUP」の開発運用
【売上高】251,601千円(2021年度)
【従業員】16名
<聞き手>
弁護士法人内田・鮫島法律事務所
弁護士 鮫島 正洋氏(右)
1963年1月8日生。神奈川県立横浜翠嵐高校卒業。
1985年3月東京工業大学金属工学科卒業。
1985年4月藤倉電線(株)(現・フジクラ)入社〜電線材料の開発等に従事。
1991年11月弁理士試験合格。1992年3月日本アイ・ビー・エム(株)〜知的財産マネジメントに従事。
1996年11月司法試験合格。1999年4月弁護士登録(51期)。
2004年7月内田・鮫島法律事務所開設〜現在に至る。
鮫島正洋の知財インタビュー
防災業界のDX化「スマテンBASE」
鮫島:(株)スマテンは建物のオーナーや管理者と、点検・工事事業者をつなぐプラットフォーム「スマテン BASE」を運営しています。
都築:消防用設備等は法律で年2回の点検と、特定防火対象物は年1回、非特定防火対象物は3年に1回の点検報告が義務化されています。スマテンBASEをお使いいただくことで、建物オーナーや管理者は、管理フロー改善によるコスト削減が図れます。鮫島:今年で創業4年目を迎えられますが、まさに業界のDX化を図っているといえます。
都築:無料で提供している報告書作成アプリ「スマテンUP」を、点検者や工事事業者の方に現場で使っていただくことで、従来と比べ作業効率が1.5倍になったと言っていただけています。また、コンプライアンスの観点や世の中のペーパレス化の流れも追い風です。鮫島:創業のきっかけはどういったところだったのでしょうか。
都築:私は大学在学中に飲食店を経営していました。2011年東日本大震災時にボランティアとして復興支援をする中で、防災業界に興味を持ちました。事業に参入して気が付いた点は、法律で法定点検が義務づけられているにもかかわらず、消防設備等点検の実施率は50%に満たないことです。アナログなところを改善し、法令点検未実施のない建物をなくし、安全と安心の世界を創っていきたいと強く感じ起業しました。鮫島:法令点検および改修市場規模は約1.4兆円もあり、スタートアップにとっては魅力あるマーケットサイズです。ビジネスモデルはどうなっていますか。
都築:建物オーナーや管理者とスマテンが契約し、点検・工事のトランザクションに対し当社は手数料を頂戴し、残りを点検・工事業者にお渡しするモデルです。点検を行うと、およそ3割程度は不備が見つかります。不良個所をみつければ、改良工事の請負により点検・工事業者の売上拡大につながるため、点検するモチベーションが保たれています。鮫島:システム開発に対する投資を特許という形でアセット化することにより、競合を排除することができたり、海外進出の際のライセンスに使えたりするので、投資家に対して好印象を与えることができます。
都築:これから大手企業を含めたビジネスパートナーとの協業拡大も図っていくフェーズに入るため、大所高所から正しい経営判断をしていきたいと考えています。当社の認知度向上を図るためにも、特許申請は有効だと思えてきました。しっかりと準備していきます。―「THE INDEPENDENTS」2022年8月号 P10より
※冊子掲載時点での情報です