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「AI ×セキュリティで新しい価値を創る」

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【谷口 辰成 氏 略歴】
生年月日:1976年10月14日
出身高校:福島県立安積高校
1999年に携帯電話・通信関連商材を扱う総合通信代理店(株)ネクサス(現・(株)ジェイ・コミュニケーション)に入社。2002年10月にホームセキュリティ製品の開発を手掛ける(有)セキュア(現(株)セキュア)を設立し、代表取締役に就任。ホームセキュリティ事業を売却し、企業向けセキュリティ事業へと転換。


【(株)セキュア】
【設 立】2002年10月
【所在地】東京都新宿区西新宿2-6-1
 (海外子会社 SECURE KOREA, Inc.)
【資本金】534,044千円(2022年1月31日現在)
【事業内容】セキュリティソリューション事業
【業 績】売上高 3,378百万円(2021年12月期)
【上場日】2021年12月27日(東京証券取引所マザーズ(現グロース)市場:4264)


■東証マザーズ(現グロース)上場を果たす

 当社は、主に「オフィス・工場・商業施設」などに対して入退室管理システムや監視カメラシステム、混雑分析サービスなどのセキュリティソリューションを展開しています。
 大規模商業施設からITベンチャー、食品工場まで6,500社以上にご利用いただいています。新規事業としてAI Store Lab(無人化店舗)での実証実験にも取り組んでおり、顔認証による入店・決済、来店客ごとにリアルターゲティング広告を行っています。
 一昨年にはエンジニア採用を目的として100%子会社を韓国に設立しました。売上規模は33億円、従業員数は98名にまで成長し、昨年12月27日に東証マザーズ(現グロース)市場へ新規上場を果たしました。

■第1創業期 ~セキュリティ家電〜自社商品開発〜

 創業翌年に、賃貸物件に住む個人向けセキュリティ家電「ドアリモコン開閉装置」を作り始め、2006年には経済産業大臣賞を受賞しました。メディアにも取り上げられるようになり、売上も好調だったのですが、リーマンショックの影響を受けて資金調達に行き詰りました。そこで、新しい事業を立ち上げることを考えるようになりました。

■第2創業期 ~画像認識×セキュリティ事業にピボット~

 次の事業を模索していた頃、「画像認識技術」に出会いました。当時、監視カメラシステムなどのセキュリティシステムは、弱電設備の位置付けでした。そこで最新技術の使われ方を調査し、イスラエル、ヨーロッパ、アジア各国の監視カメラや画像認識技術が使われている現場を回り、勝ちパターンを探りました。
 「競争の源泉はどこか?プラットフォームかラストワンマイルか?」と議論を重ね、画像認識ビジネスのコアコンピタンスを定義し、中小会社向け「オフィスの入退室管理システム」に照準を合わせました。しかし当初はサービスが全く売れず資金も枯渇状態、そんな時にインデペンデンツクラブや多くの方の支えにより何とか経営危機を乗り切る事ができました。

■IPOの失敗から、変革、風土改革に着手

 2014年、順調に売上が伸びいよいよ具体的にIPOを目指したのですが、この一度目の挑戦は結果的には頓挫しました。外部から招き入れた中途入社社員によるトラブルなどが原因で、退職が増え、業績も悪化しました。
この経験から、外部から経営幹部を招聘するのではなくて、若手でも実力のある社員を経営チームメンバーとして育てました。企業理念や行動指針も作り、コンプラ・ガバナンスを組織に徐々に浸透させていきました。互いの考え方を共有するダイアローグや勉強会を頻繁に行い、業務時間の5%を社員の自己啓発時間に充てました。

■2回目の挑戦でIPOを果たす

 IPOの取り組みは、想像以上に組織に負荷がかかり、はるかに険しい道のりでした。しかし前述の組織改革の取り組みの結果、2割だった退職率が、取り組み後にはほぼゼロとなり、風通しもよく強い組織に変わっていきました。 コロナ禍による影響を受けたものの、結果的に業績を上方修正できました。上場審査期間のほとんどが緊急事態宣言中、まん延防止重点措置に基づく要請期間に当たり対応が大変であったものの、ほぼスケジュール通りに進めることができ、2度目の挑戦でIPOを果たすことができました。
 今後、新たなパートナーの発掘、AI、SaaS強化により、継続成長と収益アップを図っていき、AI Store Lab事業を新たな収益の柱としていきます。そして、韓国・ASEANへ事業を伸ばしていく計画です。

2022年4月4 日インデペンデンツクラブ月例会 東京21cクラブにて