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「超小型陽子線がん治療装置の製造販売」

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【古川 卓司 氏 略歴】
生年月日:1978年2月4日
出身高校:渋谷幕張高校
2004年千葉大学大学院博士(理学)取得、在学中に放医研に入所。粒子線がん治療システムの設計・開発、並びに運用に携わる。スキャニング照射を用いた呼吸同期照射の開発に世界で初めて成功し、2012年文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞。2017年当社設立、代表取締役就任。


【(株)ビードットメディカル】
【設 立】2017年3月1日
【資本金】187,500千円
【株 主】経営陣、事業会社、VCほか
【所在地】東京都江戸川区春江町5丁目10-10
【役 員】(代)古川卓司、小平政宣、辻井博彦 (監)山田聰
【事業内容】陽子線がん治療装置の製造販売
粒子線がん治療に関わるコンサルティング等
【売上高】N.A
【従業員】46名


超小型陽子線がん治療装置の製造販売

■副作用が少ない陽子線がん治療の装置小型化に成功

がん治療では、「陽子線治療」という先進手法が注目を集めています。X線と比較すると、ピンポイントで正確な照射ができ、腫瘍周辺の正常組織へのダメージを低減できることが特徴です。一部の疾患ではすでに保険収載されています。 また、これまでの陽子線治療装置は大型で高額なことがネックでしたが、放射線医学総合研究所(以下、放医研)の元研究員や国立大学病院放射線科で経験を積んだ当社社員らの手により、装置の大幅な小型化に成功しました。従来装置とは全く違うアイデアで設計され、従来比高さ1/3、重さ1/10の小型化を実現する当社装置は、既存X線治療装置との置き換えという独自の提案を可能とし、陽子線治療の普及を加速させていきます。

■多数の特許を保持し、薬機承認取得をめざす

当社は、放医研認定のベンチャー企業であり、現在大阪大学と共同研究を進め、薬機申請に向けた原理実証実験を行っています。日本の技術力をもって世界への進出を目指し、すでに国内外でキー技術の特許を抑え、周辺特許の取得も進んでいます。
ビジネスモデルは、小型化できたメリットを生かし、従来の陽子線治療装置の半額以下の20億円程度に装置費用を抑えることで病院の導入ハードルを下げ、装置のメンテナンスで利益を上げていきます。今夏には医療機器として薬機承認取得ができる見込みで、今年度末から1号機で初治療を開始し、実績を積み上げながら国内外で受注を伸ばしていきます。




※2022年2月号掲載時点での情報です