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「TOKYO PRO Market」

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【TOKYO PRO Market 概要】
所在地:東京都中央区日本橋兜町2-1
J-Adviser社数:13社(2022年1月1日現在)
上場企業数:47社


■ TOKYO PRO Marketの特色

TOKYO PRO Market(以下、「TPM」といいます。)は、2008年の改正金融商品取引法により導入された「プロ向け市場制度」に基づき、2009年6月に開設されました。TPMは市場への参加者を特定投資家および非居住者に限定することにより柔軟な上場制度を実現し、成長意欲のある企業の多様な上場ニーズに応えることができる市場運営を行っています。また、「J-Adviser」という東証から委託を受けた企業が上場前の上場適格性の調査・確認や上場後の適時開示等の助言・指導義務を担うアドバイザリー制度を採用していることも大きな特徴となっています。現在13社がJ-Adviserとして認定されており、証券会社のみならずM&A仲介会社、IRやディスクロージャー支援を専門とする会社等様々な特色を有する事業会社が参入しています。

TPMはマザーズ市場のように上場時の資金調達が必須ではなく、また株主数などの流動性に関する上場基準も設けられていないことから、オーナーシップを一定程度維持したままで、上場による知名度や信用力の向上を実現し成長に繋げることを目的としているケースが多いですが、足元では上場時や上場後に資金調達を行うケースや、東証や他の証券取引所の一般投資家向け市場への足掛かりとして上場するケースも着実に増えてきており、これまでに5社が他市場への上場を実現させています。

■ 今後の展望

TPMの大きな課題の一つとして、市場への参加者がいわゆる「プロ投資家」に限定されていることに加え、現時点では上場株式の市場流通量が少ないことによる流動性の低さがあります。現在、金融庁の市場制度ワーキング・グループにおいて特定投資家の要件の見直しによる拡大の検討が進められており、実現すれば市場参加者の増加が期待されることから、今後東証としても投資家層の拡大に向け各関係者との連携強化を進めたいと考えております。また、資金調達ニーズや既存株主の売却ニーズのある企業の開拓等も行い、投資家と市場流通量の両面から取引の活性化を推進し、より使い勝手のよい市場にしていきたいと考えております。

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※2022年2月号掲載時点での情報です