アイキャッチ

「マイクロファイナンスを活用し中古車を提供 アフリカでビジネスを回す」

公開


【林 亮 氏 略歴】
生年月日:1976年1月21日
出身高校:早稲田実業高等部普通科
早稲田大学政治経済学部卒業、一橋大学院MBAコースを修了後、アッカネットワークスに入社。2010年、アッカネットワークスからMBO、ワイヤアンドワイヤレスの立ち上げに参画。2017年、IDOMに入社。2020年(株)FMGを設立、代表取締役に就任。

【(株)FMG】
【設 立】2020年9月29日
【所在地】東京都千代田区内幸町2-1-6 Wework日比谷パークフロント内
【資本金】43,600千円
【株 主】(株)IDOM、Samurai Incubate、林亮
【役 員】(代)林亮 (社外取)榊原健太郎 (監)中村亨 (社外取)越野拓哉
【事業内容】アフリカ市場でマイクロファイナンスを活用した中古車の提供
【売上高】14,716千円(2021年2月期)


マイクロファイナンスを活用し中古車を提供 アフリカでビジネスを回す


■信頼を担保に中古車を貸与

当社は、中古車買取販売「Gulliver(ガリバー)」を運営する㈱IDOM(東証1部)のアフリカ中古車事業をスピンオフし、設立された新会社です。25才以下の割合が全人口の6割を占めるアフリカのポテンシャルに、今注目が集まっています。2050年にはアフリカの人口は約25億人、世界全体で4人に1人がアフリカで生活すると予想されています。大半の国民が銀行口座を持っていないタンザニアで、当社は、保証人情報や本人の信用を担保に、車を貸与するマイクロファイナンス事業を展開しています。現地では、住宅購入よりも中古車購入のほうがはるかに高いという経済事情もあり、ドライバーが、車をレンタルし現金収入を増やし、やがて車のオーナーになることは、現地の人々にとって大きなモチベーションになっています。



■マイクロファイナンスを得たドライバーが、新たな借り手を紹介

ドライバーの支払い履歴、保証人の信用情報、走行履歴、借り手が社会とどうつながっているかなどを細かく精査し、これまで可視化されていなかった良質なドライバーの信用情報データを蓄積し、当社からUberや配車サービス企業に、中古車両とドライバーをセットで提供します。提供車両は、(株)IDOMから調達しています。

ドライバーは、Uberなどの配達やライドシェアサービスで収入を得て、月平均300-400米ドルを車両レンタル料として当社に支払い、概ね3年程度で完済を目指します。当社の試算では中古車1台あたりの年換算IRR(内部収益率)は約20%となっています。

良いドライバーは、良い保証人を連れてきます。この好循環が当社の事業の骨格を形作っています。ドライバーも「働きぶり」が可視化されることで社会的信用が形成され、さらに売上も伸びていきます。

■Uberドライバー層以外にもアプローチを拡大

今期の実績は約170台、累計契約ドライバー数も約500人になりました。来期は積極的にUberドライバー以外の層にもアプローチをし、また、現在オペレーションをまわしている管理ツールにも資金投入をしていきます。働き手が集う優良なプラットフォームを作っていくことで、自社の事業を成長させ、アフリカ社会の発展に寄与していきます。

※2021年12月号掲載時点での情報です