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「データ暗号化技術「MASH」で個人情報を守る」

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【新原 秀二 氏 略歴】
生年月日:1980年8月7日
最終学歴:立命館大学経営学部
新卒にて食品メーカーへ入社後、特技であるソフトウェア開発職へ転職。自動車エンジンECUソフトウェア開発エンジニアを経て、電力ケーブルメーカーにて電力監視システム開発に従事。中国・香港・台湾にて電力監視システムの開発に従事し、2020年アーモンド(株)を設立、代表取締役に就任。

【アーモンド(株)】
【設 立】2020年5月1日
【所在地】静岡県浜松市中区和地山2-17-8
【資本金】1,000千円
【株 主】新原秀二
【役 員】(代)新原秀二
【事業内容】ソフトウェア開発(暗号化MASHを使用した暗号化サービスの提供)
【売上高】16,599千円(2021年3月期)
【従業員】0名


データ暗号化技術「MASH」で個人情報を守る


■AESの脆弱性をカバーする

世間に流出した個人情報は22億件(2019年時点)とも言われ、「不正アクセスは起こりうる」を前提に、いかにデータを守るかが重要な焦点になってきています。私自身が東日本大震災に接し、「自分が死ぬ時に何を思うだろう」と真剣に考え、「誰かに届けたいデータ」と「誰にも見られたくないデータ」があることが頭に浮かびました。暗号化では、共通鍵暗号方式の「AES」が世界標準ですが、時間とコストをかければ解読される脆弱性があります。そこで100年前に考案された最強の「バーナム暗号」の実用化を研究、実用化に成功しMASHと名づけ、AESで暗号化したデータを、MASHで更に暗号化する、最先端かつ堅牢なセキュリティサービスの提供をする為、起業しました。




■鍵の管理が不要で、国際特許も出願中

当社のデータセキュリティサービスは、AIとデータベース(以降DB)先端要素技術を用い、データ毎に都度暗号鍵を生成します。最大の特徴は、ユーザが暗号鍵を管理する煩わしさから解放される点です。AESが基本的にアカウントごとに1つ鍵を生成するのに比べ、MASHはデータごとに暗号鍵を生成するため、セキュリティ強度が大幅に増加します。当社は、この2つの暗号化技術を掛け合わせたサービスを提供しています。

あらゆるDB、独自ファイルDBに適用できる、当社の暗号化方法、端末装置、暗号化システムおよびプログラムに関する技術は、現在、国内および国際特許出願中です。

■ライセンス販売・SaaS型サービスも展開

世界の市場は、セキュリティ全般で約13兆円、データ・情報セキュリティ市場だけでも3兆円が見込まれる巨大市場です。我々は「暗号化プラグイン」というニッチ市場を狙っており、設立翌年の2021年度は、システム販売で約2600万円の実績を上げました。

BtoB向けのシステム受注が中心で、製造業、電力系企業などの生産管理システム、農業関連システム、現場管理システムなどでご利用いただいています。保守費用に含めて暗号化システムの月額費用をいただいてきましたが、ライセンス販売も引き合いがあり、2023年からはSaaS型のサービスを開始し、利便性を高めた形で提供していきます。今後、社内SEを増員し、売上拡大と認知度向上をはかっていきます。

※2021年12月号掲載時点での情報です