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「データ化・AI共同監視システム」

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【矢野 昌平 氏 略歴】
生年月日:1973年3月3日
国立富山商船高等専門学校
長岡技術科学大学大学院工学研究科 情報・制御工学専攻博士課程修了。長岡工業高等専門学校の助教、准教授、カナダブリティッシュコロンビア大学にて在外研究(2012年)、2015年から長岡技術科学大学准教授をへて2021年4月から長岡工業高等専門学校 研究推進教授。

【(株)IntergrAI】
【設 立】2020年7月29日
【所在地】新潟県長岡市西片貝888番地
【資本金】1,000千円(株主:矢野昌平ほか)
【役 員】(代)矢野昌平
【事業内容】産業向けAIカメラによるデジタル化システムの提供
【売上高】N.A
【従業員】4名


「データ化・AI共同監視システム」


■小型AIカメラでアナログ・デジタルメーターをデータ化

あらゆる場所で、デジタル化やデータ連携が重要視されていますが、特に国内工場のIoT導入率は未だ10%以下でありデジタル化が進んでいません。そこで当社は、小型AIカメラを使い、アナログメーターのデータ化・AI共同監視システムを開発しました。システム導入により効果が見込まれる先は、化学工場や金属製品工場、加工工場、社会活動下で監視対象物がある現場です。メーターをカメラで連続「秒」撮影することでデータ化が図れ、遠隔地からでも安全に監視・アラートの発報を可能とします。

創業のきっかけは、2019年行われた全国高専ディープラーニングコンテスト(通称DCON)で最優秀賞と企業賞を受賞したことです。モンゴル出身の元長岡高専生で、現在、東京大学工学部システム創生学科在学中のソドー君、電気通信大学に在学中のノムハ君、そして代表者の矢野がシステムの研究開発に取り組んでいます。






■コストを抑えてデジタル化・遠隔監視が実現

当社のシステムは、流体圧力計などの針がついたメーター類、点灯するランプ類、データが吐き出せない液晶画面、デジタルな数字がでるような電力スイッチをターゲットにしています。データ化したいメーター等の近くに小型AIカメラを設置、データ化したい領域をシステムに登録し、アラートを通知する値や内容、撮影頻度を設定します。電源があれば設置ができ、大がかりな装置は不要です。操作は全てウェブブラウザ上で行い、連続データ収集による生産の正確性確保や作業効率化を図ることができます。ある化学工場で、複数の材料をそれぞれ決められた分量で配合されていたにもかかわらず結果が大きくズレていたところにシステムを設置し、原因特定が可能になりました。また、データ出力機能がない機器、コロナワクチン保管冷蔵庫の温度監視、金属製品工場でのライン監視などにご利用いただいています。 ビジネスモデルは、初期導入費用50,000円とサービス利用料9,900円/月(カメラ1台)を予定しています。

■Smart Factoryづくりや現場のIoT化に貢献

本システムはデータのCSV出力により他の機器とのデータ連携が可能であり、工場内のIoT化にもかかわっていくことができると考えます。長岡市のサポートを受け、市内の様々な現場と接点を持ち課題の把握に努めています。今後、システム品質の向上、導入できる現場を増やしていきます。

※2021年12月号掲載時点での情報です