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「マイクロセンサ付き血管モデルで医療品質の向上」

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【鈴木 宏治氏 略歴】
生年月日:1964年6月12日
出身高校:立命館高校
立命館大学大学院理工学研究科博士前期課程修了。日本IBM、米国オラクル社を経て、F5ネットワークス入社し、同社副社長に就任。東大エグゼクティブマネージメントプログラムへの参加が契機となり、医療システム業界へ転身。2019年同社設立、代表取締役社長就任。


【 Blue Practice(株)】
【設 立】2019年2月15日
【所在地】東京都港区北青山2-7-13 プラセオ青山ビル3階
【資本金】48,000千円
【株 主】経営陣、創業メンバー、THVP
【役 員】(代)鈴木宏治、太田信、芳賀洋一 (社外取)片桐大輔
【事業内容】医療用生体モデルシステムの開発・販売
【売上高】N.A
【従業員】4名

マイクロセンサ付き血管モデルで医療品質の向上


■リアルな感触で操作のできる血管モデル

血管内治療には、医療事故や動物実験の倫理上の問題、熟練の医師から若手医師への技術指導の難しさなどの課題があります。当社は、そのような現場課題に対して、ヒトの血管の物理属性を忠実に再現した血管モデルの研究開発をすすめ、2019年に事業化を図りました。当社の血管モデルは、合成樹脂PVA-H(ポリビニールアルコール ハイドロゲル)を特殊な製法で加工し、ヒトの血管の「厚さ、動的粘弾性(硬さ/柔らかさ)、摩擦(滑り感)」を正確に再現しています。  さらに、当社の血管モデルには、光ファイバ圧力センサ、超音波変異センサ、歪ゲージセンサなど、目的や精度の異なるマイクロセンサをビルトインできるところに強みがあります。素材技術とセンサ技術を掛け合わせ、医療用デバイスを操作する際の血管にかかる負荷を定量的に可視化することが出来ます。



■カテーテルトレーニングで特許出願をめざす

脳血管や心臓血管のカテーテル治療におけるガイドワイヤー、バルーン、ステント、コイル等、各種医療デバイスによる治療技術の習得と向上、そしてその手技レベルの確認ができる血管内治療トレーニングモデル「ORTA(オルタ)」を提供します。現在、PVA-H血管モデルの製造手法に関する特許2件出願中です。センサ搭載血管モデルを前提としたカテーテルトレーニングに関する機械学習手法に関するシステムの特許化も計画しています。

■クラウド化されたデータで治療技術の向上に貢献

トレーニングモデルの使用を通じて蓄積されていく熟練医師の感覚(タッチフィーリング)を可視化したデータと若手医師の感覚を数値化したデータの比較を進めていきます。データの精査や評価には、現役医師にもご協力いただいています。その蓄積データを専門医や先進の医療機器メーカーに活用していただくためのクラウドデータベースプラットフォームとして事業化することで、血管内治療技術の向上と医療デバイス性能の向上に貢献していきます。

※2021年10月号掲載時点での情報です