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「データでつくる牡蛎種苗と新たな養殖モデル」

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【早川 尚吾氏 略歴】
代表取締役 早川 尚吾 Hayakawa Shogo
生年月日:1987年4月21日
出身高校:旭野高校
南山大学経済学部卒。豊田通商金属本部にて国内営業の後インドネシア駐在を経験。2018年創業時に代表取締役就任。

【(株)リブル】
【設 立】2018年5月15日
【所在地】徳島県海部郡海陽町宍喰浦字那佐337番地55
【資本金】2,100千円
【株 主】経営陣、HOXIN(株)
【役 員】(代)早川尚吾、岩本健輔、高畑拓弥
【事業内容】牡蠣のスマート養殖事業
【売上高】12,156千円(2021年3月期)
【従業員】6名


<起業家インタビュー>

データでつくる牡蛎種苗と新たな養殖モデル



■水産養殖ベンチャー「Re:Blue=リブル」

当社は、牡蛎人工種苗の生産から成品生産、販売まで一気通貫の生産販売体制、ノウハウのパッケージ化に取り組む水産養殖ベンチャーです。理学博士号を持つ岩本(取締役CTO)が、前職時代から殻まで美しく粒が揃うシングルシード方式の牡蠣養殖試験を行っており、商社マンでインドネシア駐在時代から交流のあった早川と高畑(取締役COO)が、大学生向け水産系インターンプログラムを通じて岩本の取り組みに触れ、水産養殖のポテンシャルを知ることとなり、起業に至りました。県外から徳島県海陽町に移住し、新しい水産業の形を模索し日々チャレンジしています。古くからある養殖のやり方を再生する意味を社名に込めました。




■歩留まりが安定する種苗と養殖のノウハウづくり

一般的な手法で作られた牡蛎は、殻を開けると大きさがバラバラであることが多く、歩留まりが悪いという課題があります。そこで当社は、独自技術で高い安定性のある種苗づくりに取り組みました。結果、天然種苗から育った牡蛎と比べ、良質な牡蛎を活きたままま出荷できるところまできました。

現在、KDDI、徳島大学、地域の漁協と共同で、牡蛎の生育に影響を与える水温、気温、湿度、揺れなどのデータ記録と、生育状況記録を分析し、新たな牡蛎養殖づくりのパッケージ化を進めています。このパッケージを用いると、生産性歩留まり率は50%UP、販売単価も2.6倍という結果を得ています。

■販売本格化へ

人口種苗市場は50億円、国内牡蛎市場は500億円、そして世界の牡蛎市場は、いまや5000億から1兆円といわれています。世界養殖市場は3.5兆円でかつ年平均成長率は7%と大きく伸びています。実際、牡蛎は、近年中国では520万トンも消費されており、日本国内消費16万トンと比べると海外市場の持つポテンシャルはとても大きいです。

当社は2019年2月にクラウドファンディングを行い、目標の100万円を上回る支援をいただきました。(129万円)。2023年度から牡蛎の本格販売フェーズに入ります。リブルモデルで作った牡蛎を自社で買い取り、国内とアジアに「ジャパンブランド」として展開を始めていきます。中国市場でシェア獲得も狙っていきます。SDGsの視点も加味し、養殖資材を変え、FC化できるまで養殖モデルを鍛え、作りあげます。そしてIPOを目指していきます。

※2021年10月号掲載時点での情報です