「「医療ことばデータベース」で生活を豊かにする」

＜起業家インタビュー＞

「医療ことばデータベース」で生活を豊かにする

■簡単音声記録「メディカルメモ」

医療従事者が使う専門的な医療用語と、患者やご家族、一般ユーザーが使う、病気や健康に関する言葉をつなぐ「医療ことばデータベース」の開発をしました。

訪問診療・訪問看護を行う医療従事者は多忙で、車中で患者の記録業務を行っています。そこで当社は、スマホに向かって話すだけで医療記録の作成及び編集ができる、クラウド型音声入力アプリ「メディカルメモ(β版)」の提供を開始しました。SOAP（電子カルテ記録）形式での記録も可能で、今後はAIによる分析機能も追加し医師や看護師、介護士の情報連携に役立つサービスを提供予定です。アップルストアからダウンロードでき、無料でご利用いただけます。

■病気・不調症状検索サイト「みんなのことば」

また、当社は約700症状と関連する単語を組合せ、約17,000語が登録されている「みんなのことば(α版)」サイト運営をこの９月から開始しました。一般の方が、症状や体調の状態を表す、例えば「ブツブツ」という単語を入力すると、症状を医師に説明する際にヒントとなることばや、あせもやおむつかぶれなど医療関連単語がランキング形式で検索結果として表示されます。

サイトを開発するきっかけは、自分の症状や状態を正しく医療従事者に説明できていない、自分のニーズを相手に伝えきれていない人が多いという点にあります。他の医療系ウェブサイトでは、風邪の引きはじめの方が「だるい」「背中が痛い」という単語を入力した場合、病に関係する検索結果しかでてきません。しかし、ユーザーの多くは、今の症状を悪化させない方法やサービスも期待しており、ユーザーがまるで「ホスピタリティ」を感じられるレベルでのご提供を目指しています。

■マネタイズ戦略と今後の見通しく

「ずきずき」「頭」というキーワード入力から、市販薬の推奨広告、食事、リラックス関連商品、製薬企業、薬局、関連企業とのコラボや広告収入を見込んでいます。また電子カルテや医療システムへのデータ連携など、追加オプションによるサブスクモデルも検討中です。

健康増進に役立つ情報や関連商品、サービス市場は、2025年には600億円、疾患まで含めると1000億円規模が見込まれています。当社は多職種間連携に貢献し、将来的には、東アジア富裕層向けの検索サービスを充実させていきたいと考えています。

※2021年10月号掲載時点での情報です