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「水中可視化装置AquaMagic(アクアマジック)」

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【笹倉 豊喜 氏 略歴】
生年月日:1948年8月1日
出身高校:兵庫県立西脇高校
山梨大学大学院修了。東京海洋大学水産学博士。古野電気(株)で舶用機器事業部の開発部長等を歴任。1997年退職後フュージョン(有)、(株)アクアサウンド設立を経て、2017年(株)AquaFusionを設立。東京海洋大学の客員研究員。

【(株)AquaFusion】
設立: 2017年1月19日
資本金: 142,150千円
所在地 :兵庫県神戸市中央区港島中町4-1-1
事業内容:海洋音響機器・センサーの販売、漁業用サービスの販売

<起業家インタビュー>

水中可視化装置AquaMagic(アクアマジック)


■従来の100倍の精度で水中を可視化

当社は従来の魚群探知機の100倍の精度を持つ魚体識別が可能な水中可視化装置「AquaMagic(アクアマジック)」を開発し、昨年より販売を開始しました。

従来型の魚群探知機では、超音波の連続送信ができず、例えば水深120mの場合、1秒に3回程度しか超音波を送信できませんでした。しかしAquaMagicは、特許取得技術「FINE Technology」により、毎秒30回以上の超音波送信を実現。「魚群探知」ではなく、「魚単体の識別」が可能です。また識別した魚のサイズも計測する事もできるため、効率的な漁業の実現に向け欠かせないツールとなっています。
AquaMagicは、サブスクリプション(初期費用20万円、月額1万円~)で月々の負担を抑えてお使い頂く事が可能です。

■当社のビジネスポートフォリオ

当社の製品は、高性能魚群探知機としての用途に留まらず、養殖魚の成長管理や、水中ロボットの障害物検知等、幅広い分野でお使いいただけます。
加えて、弊社機器の普及が進むと、「どこに、どんなサイズの魚が、どれだけいたか」という水中のデータを効率的に入手する事が可能です。これらを活用し、漁場予測や海底地形図などの水中データを活用したプラットフォームの構築も可能です。

■NTTデータと養殖管理クラウドのシステム連携開発

21年現在、基礎的な開発は完了しており、今後魚のサイズ計測の技術を生かした養殖魚の成長管理システム、水中ロボットの障害物検知センサーなどの次世代商品の開発を予定しております。足下では、新たな養殖管理モデルをつくるため、本年3月に(株)NTTドコモと業務提携契約を締結しました。当社の魚体長測定サービス「MagicMonitor(仮)」と、生け簀内の水質測定データや作業日誌などを一元管理するドコモの「養殖管理クラウド」のシステム連携開発です。ICTサービスで、魚の成長を管理し、作業効率化や給餌量最適化を目指します。
将来的には機器・サービスの販売に加え、前述の水産資源の管理や海底資源に活用できる水中DBプラットフォームを構築し、水産業(漁業・養殖)、海洋開発の発展に貢献する事で”Sustainable Oceans” を実現する事を目指していきます。

※2021年8月号掲載時点での情報です