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「プライバシーと活用を両立するライフログ収集・保管・活用 「miParu®」プラットフォーム」

公開


【南 重信 氏 略歴】
生年月日 : 1954年5月6日
出身高校: 和歌山県立新宮高校
早稲田大学理工学部電子通信学科修士卒。北海道大学大学院情報科学研究科メディアネットワーク専攻社会人博士課了。東芝総合研究所、カリフォルニア大学バークレイ校客員研究員を経て、横浜国立大学客員教授、北海道大学大学院情報科学研究科特任教授となる。

【(株)ミルウス】
設 立 :2016年11月1日
資本金 :21,450千円
所在地 :札幌市白石区東札幌五条1丁目1-1 札幌市産業振興センターC-6
事業内容:医療・健康情報収集・保存・活用システム/機器/ソフト/サービスの企画・開発・販売

<起業家インタビュー>

プライバシーとライフログ収集・保管・活用の両立
「miParu®」プラットフォーム


■安全に個人健康情報を管理・共有し、デジタル署名でデータの信頼性を確保

当社は北海道大学発の健康・医療分野システム開発ベンチャーです。2016年11月の創業以来、安全な個人情報の管理・活用を目指した”miParu® パーソナル・データ・ストア(PDS)“を開発してきました。 PDSはサービスの代償に個人情報を提供する従来のアプローチに代わる、新たな個人データ管理活用技術として注目されています。弊社の特徴は、生活・医療情報からなるライフログをスマホで簡便に取得し、PDSとしてスマホ内に構築、本当に必要なデータのみを、閲覧/活用者を指定して提供できるところにあります。閲覧・活用者は”miParu® ICカード “を用いてログインすることにより、半数以上が個人起点とも言われる個人情報流出を抑止します。また、個人データにはデジタル署名と呼ばれる、データへの捺印が施され、信頼性が要求される医療活用やビックデータ活用などでのデータ所有者の明確化および改竄された場合の検出が可能になります。この署名付PDSの基本特許は2020年6月に国内で、8月に米国で権利化しました。

■実証実験からサービスインへ

当社の顧客は、糖尿病発病・重症化予備群の対策に悩んでいる国内の自治体や健康経営を推進する企業です。医師や栄養 士等による、ライフログを用いた、遠隔での生活習慣改善支援や、診察補助さらにはワーケーションや実証での健康データ取得・分析等を支援します。
北海道のある市町村で行った実証実験では、参加者の食事の写真、血圧や運動量データ、睡眠時間などのライフログ貯金箱®に貯め、専用暗号化サーバーに1週間毎日送ってもらいました。
個人情報であるライフログは、暗号解読鍵を内蔵した認証用のミパルカードを所有した医師・管理栄養士等により、テレビ電話などで、食生活の改善点指導、遠隔運動や睡眠カウンセリングを行いました。
実証試験を経て、本年10月よりライフログ取得・保管・活用のワンストップ・サービス、ミパル・パック100の提供を開始します。年間100万円以下の手頃な費用で1000人規模の住民や社員に多様な遠隔健康支援サービスを提供できます(同時サービス定員100名程度、栄養指導・運動指導などはオプション)。プライバシーを守りながら、限界集落の高齢者でも都市部並みの健康支援が受けられる国内均一健康長寿社会を目指します。

※2021年7月号掲載時点での情報です