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「“てんかん”患者家族と医師を結ぶオンライン診療サービスで難病を克服していきます」

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【代表取締役 林 泰臣 氏 略歴】
生年月日: 1982年1月16日
出身高校:富山県立小杉高校
2002年㈱ミュージック・シーオー・ジェーピー入社。 2004年㈱エムティーアイ入社。モバイルWEBサイト、アプリケーション、マーケティングを経験し、事業部長、執行役員に就任。2015年遠隔医師相談サービス運営子会社(株)カラダメディカ代表就任。
2018年高山千弘Ph.D.(医学博士)と共同創業。

【ノックオンザドア(株)】
設 立 :2018年7月18日
資本金 :46,682千円
所在地 :東京都新宿区市谷八幡町2-1
DS市ヶ谷ビル3F
事業内容:難病患者・家族に向けたオンライン診療プラットフォーム事業
従業員数:8名

<起業家インタビュー>

“てんかん”患者家族と医師を結ぶオンライン診療サービスで難病を克服していきます


■てんかん診療を進化させるアプリサービス「nanacara(ナナカラ)」をリリースしました

脳の慢性疾患である「てんかん」は突然発生する電気的興奮による発作が起こる症状です。治療には発作の様子をできるだけ正確に医師に伝えることが重要です。そこで私どもは患者と家族がワンタップで簡単に、動画、タイマー、メモなどの発作記録できる「ナナカラ」アプリサービスを開発しました。2020年3月のβ版リリース後、病院の協力を得ながら6,500ダウンロードと127,000件の発作記録情報を患者家族から得ています。

■オンライン診療である「ナナカラ」の普及によって病院はどのように変化していきますか

“てんかん”症状を患者家族と医師がオンライン診療で共有する事で対面診療との補完関係が築け医師の負担も減ります。また専門医が所属する500医療機関と一般医とが連携するD2Dサービスを展開する事で、未整備な“てんかん”診療を効率化していきます。

■製薬企業の執行役員であった高山氏と共同創業されました

ミュージシャン志望であった私は日本初のインターネット音外配信運営会社でB2CのITサービス構築や運営ノウハウを学びました。その後転職したIT事業会社でヘルスケア・メディカル領域での新規事業立ち上げ責任者となり、その時に知り合った高山氏と意気投合して創業に至りました。「患者の声を聞き、仕事をする」という姿勢で創薬に関わってきた高山氏も私も現場主義者です。創業後1年半の間に二人で250名を越える難病患者と家族を対象にワークショップやヒアリングを行いました。

■製薬会社とのコラボレーションも進んでおられます

薬機法(旧薬事法)により、製薬会社は患者家族の直接アプローチが難しく、市場調査や治験・臨床がなかなか進まないという悩みがあります。そこで「ナナカラ」を通じてアクティブに協力してくれる患者家族と製薬企業を繋ぎ、創薬開発やマーケティングを支援していきます。現在、抗てんかん剤を販売する国内製薬企業11社のうち数社とアプローチ中です。抗てんかん薬は約30種類ありますが、新たな創薬ニーズはまだまだ有り、「ナナカラ」から得られるビッグデータ提供事業を収益基盤にする計画です。

■“てんかん”以外の難病領域への展開について教えてください

家族の負担が軽減されるという点に共通項がある「認知症記録アプリ」の開発を進めています。認知症患者の症状には波があり、医者にかかる時たまたま症状が軽いこともあり、薬の処方が違ってしまうことも実際に起こっています。正確な症状記録が正しい診療と治療に繋がります。

■今後の展望をお聞かせください

「ナナカラ」に協力いただいた患者や家族から「自分からありがとうございます、と言う事はあっても、てんかんに関することで、他の方から感謝されることはなかった。自分たちも世の中の役に立てる部分があると知り嬉しいです。」という声をいただき、自分たちもやりがいを強く感じます。私たちの強みは難病患者とのチーム作りであり、それによって医療・福祉分野での社会イノベーションを創出してたいと思っています。“てんかん”患者は日本だけでも100万人、特に難治転換患者は30万人います。さらにアジアや中国においてもオンライン診療のニーズは高く、海外展開も視野に入れながらの上場を目指していきます。

(2021.5.18 interviewed by 大東理香)

※「THE INDEPENDENTS」2021年6月号 - p2-3より

ノックオンザドア株式会社

住所
東京都港区芝浦1-1-1浜松町ビルディング21階
代表者
代表取締役 林 泰臣
設立
2018年7月18日
資本金
従業員数
事業内容
てんかん患者・家族向け支援プラットフォーム
URL
https://knockonthedoor.jp/